コロナ禍後も続くアウトドア人気
今年も初夏の行楽シーズンが近づいています。何をして過ごそうか? その選択としてアウトドアで楽しむ人が増えました。きっかけとなったのがコロナ禍。誰もが外出を控えることが求められる中、屋外で密を避けて楽しむ趣味として拡大しました。
中でもキャンプ・バーベキューが大人気です。コンロやグリルなど関連商品やアウトドアブランドのファッションは売り切れ状態。さらに全国のキャンプ・バーベキュー場は予約ができないくらいの混雑となり、新規の施設が各地で続々と開業、アウトドアバブルと呼ばれるくらいにビジネスとして注目度が高まる機会となりました。
ただ、コロナ禍が収束に向かい、行楽シーズンの選択肢はアウトドアだけではなくなりました。それでも需要は継続しているのか? 今後の展望を考えてみたいと思います。
調査データによるとコロナ禍が落ち着いてからもアウトドアの趣味を続けていると答えた人は9割以上。外出自粛の時期を過ぎ、コロナ禍が少しずつ収束を迎えようとしている現在においてもほとんどの人がアウトドアの趣味を継続していることが分かりました。
暫定的に時間を過ごす手段ではなく、本当に楽しい過ごし方であると感じている人が多いということなのでしょう。アウトドアバブルは弾けたが、現在も成長は続いているということを認識して、各地での取り組みにつなげていただきたいと考えます。
リピートへ向けた仕掛けづくりを
そうした状況で注目が高まっているのが、キャンプ・バーベキューから、さらなる深掘りに対応できるアクティビティーを提供すること。アクティビティーとは「体験して遊ぶ」「体を動かして楽しむ」といった活動の要素を含む遊び方をいいます。
例えば、お手軽なアウトドアとして訪れることができるキャンプ場に、カヌー・カヤック・シュノーケリングなど、お試し的なプログラムを準備。飛び込みで参加を勧めて「楽しかった。次回は本格的にやりたい」と感じていただく。リピーターになっていただく仕掛けをつくり、ビジネスとしての継続性を高めるのです。
アクティビティーの参加者増加に向けて、専門サイトの活用も効果的です。例えば、代表的な専門サイトのアソビューでアウトドアのアクティビティーを活用する人は昨年夏で700万人(延べ人数)にまでなっており、アクティビティーの利用者が3倍以上に増えた施設も出てきたとのこと。アウトドアが地域に根付くビジネスとなるためには、こうしたリピートに向けた仕掛けを準備するべきでしょう。
(立教大学大学院非常勤講師・高城幸司)
最新号を紙面で読める!