下松商工会議所(山口県)や下松市などで構成する実行委員会は4月27日、「道路を走る鉄道車両見学プロジェクト」を開催した。同イベントは、通常は交通量の少ない深夜時間帯に実施する鉄道車両の陸上輸送を日中に実施し、見学できるようにした人気イベント。「ものづくりのまちくだまつ」を全国に発信すること、将来を担う子どもたちやものづくりに関わりたい若者に夢と希望を与えることを狙いとしている。今回の開催は5年ぶりとなり、地元住民や鉄道ファンなど約5万人が沿道に集まった。
同イベントの目玉となったのは、台湾全土を走行する都市間特急列車「EMU3000」の先頭車両2両。下松市内で製造された同車両のデザインは、世界でも特に厳しいといわれる欧州規格をベースとするルールに基づいている。2021年度グッドデザイン賞における「グッドデザイン・ベスト100」や、ドイツで誕生した世界で最も歴史の長いデザイン賞である「iF DESIGN AWARD」など、数々のデザイン賞を受賞している。
車両は専用トレーラーに載せられ、日立製作所笠戸事業所から下松駅南口までの往復約3・3㌔㍍を陸上輸送された。見学していた人からは、「日頃見ることができない光景で、とても感動した」「迫力があってすごかった」などの声が聞かれた。
また同日、沿道にあるくだまつスポーツセンターでは、「ものづくり企業フェア」を開催。市内の企業が集結し、ゲームや体験・実験などを通して「下松のものづくり」の魅力をアピールした。同フェアの中では、小学生向けお仕事体験イベント「知る職」ブースを設け、子どもたちが楽しみながら学べるように工夫が凝らされた。出展した企業の担当者からは「大変多くの方に自社の製品について知っていただく機会となって良かった」「自分たちのつくっている製品を見て触れていただくことができ、子どもたちが地元企業に関心を持つきっかけづくりをすることができた」との声があった。
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