尼崎商工会議所(兵庫県)などで構成する次世代の産業人材育成事業実行委員会は8月22日、「オープンファクトリー2024 ㏌ 尼崎」を開催した。当日は市内の中学生33人が参加し「通常コース」と「特別コース」に分かれ、見学を行った。通常コースでは印刷会社2社を見学し、事業概要や力を入れている部分の説明を受けた後、紙の裁断や検品作業を体験した。特別コースでは、自動車販売会社の整備工場を見学し、水素自動車の仕組みなどを学んだ後、タイヤ交換やエンジンオイルの点検を体験した。参加した中学生は各企業見学の際、事前に配布された課題シートに企業の情報や従業員の業務に対する思い、企業の強みを記入し、企業への理解を深めた。生徒からは「普段の生活では見ることができない工程を見ることができて良かった」「実際の仕事の一部を体験でき、非常に勉強になった」と好評な意見が多く寄せられた。
同イベントは尼崎市内の中学1~3年生を対象に、地域のものづくり企業を知ってもらおうと2017年より実施。同市の基幹産業であるものづくり企業の製品力、技術力を間近で見学することで仕事に魅力を感じてもらい、将来就職する職業の選択肢を広げてもらうことを期待している。また、企業側にも体験プログラムの企画や当日の運営を通して従業員の人材育成や働く意識を向上させ、企業の認知度向上にもつなげることができ、参加者と出展企業側の双方の仕事に対する意識向上につながる効果を見込んでいる。
同所担当者は「今回は当初の募集人数を大きく上回る応募があり、これまでと比較し、ものづくりに対する興味・関心や事業認知度が高まったと感じた。同所では、中学生を対象とした同イベント以外にも、小学生を対象とした『しごと体感ゼミナール』や『ロボットプログラミング体験教室』、高校生を対象とした『高校生ビジネススクール』、事業実施のプロセスを学ぶ『次世代の企業人育成事業』などを実施している。今後も市内の学生に事業への参加を通じて、気づきや発見を感じてもらい『ものづくりの町 尼崎』をさらに学んでもらえるよう、さまざまな事業を実施していきたい」と述べた。
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