健康診断を毎年受けていますか? 健診は、自分の健康状態を客観的に評価する絶好の機会です。その結果を自身の健康維持や増進、病気の予防につなげるにも、ヘルスリテラシーは大きく関わってきます。
健康診断や人間ドックの受診率はこの10年ほどは6割程度で推移しています。受診しない理由として、時間がない、調子が悪いときに病院を受診するため必要性を感じない、面倒くさいなどが上位に挙がっています。せっかく無料または安価で自分の健康状態を把握する機会を逃すのは惜しいことです。
健診を毎年受けている人でも、検査項目や基準値の意味を理解しているかどうかが肝心です。例えば、健診結果を読む際に、基準範囲内かどうかで一喜一憂しがちですが、基準値範囲内でも年々数値が悪化している場合は注意が必要です。生活状況に問題はないか、体重や腹囲などが変化していないかなどを検討して、生活習慣の見直しにつなげたいところです。
また、検査結果は個人差があることも頭に入れておきましょう。基準値は、多くの健常者の95%が含まれる範囲で設定されていますが、体質やその日の体調などで数値は変動するため、必ずしも全ての人に当てはまるとは限りません。そこで自分の基準値や経時的な変化を把握するためにも、健診は毎年できるだけ同じ医療機関で受診し、検査結果を保存し比較して、数値に疑問や不安を感じたら医師に聞いてみましょう。
世間には、健診そのものの意義や効果に懐疑的な意見もあります。健診を一度も受けずに元気に100歳を迎える人もいるかもしれませんし、健診を受けたからといって病気の芽を100%発見できるとも限りません。しかし、健診を受けていれば気付けた病気を知らずに放置したり、検査結果が悪いのに必要な治療をしなかったことを後悔している人もたくさんいます。健診を自分のためにどう生かすかが重要なのです。
余力があれば、自宅でも測定できる体重や血圧などを記録しておくのもおすすめです。日々の状態や変化が把握でき、治療を受ける際の参考にもなるので、ぜひ実践してみてください。