公益財団法人日本生産性本部は7月30日、働く人の意識や人材育成・働き方などの現状に関する調査「第17回働く人の意識調査」の結果を公表した。同調査は、2020年5月以降、四半期ごと(23年7月調査より6カ月ごと)に実施しているもの。今回の調査結果によると、景況感については景気が悪いと見る回答割合が68.3%で前回(25年1月)調査より増加した。働き方については「ジョブ型」を希望する割合が66.3%。自己啓発に取り組む意向がない割合は63.6%だった。
今回の調査対象は、わが国の企業・団体に雇用されている20歳以上の雇用者(就業者から自営業者、家族従業者などを除いたもの)1100人。調査は7月7~8日に実施した。
調査結果によると、景況感については現在の景気が悪い(「悪い」「やや悪い」の合計)とする回答割合が前回調査の59.0%から68.3%に増加。今後の景気見通しも「悪くなる」「やや悪くなる」の合計が前回調査の47.7%から56.5%に増加し、悲観的な見通しが強まった。
働く人の意識について見ると、自身の雇用に不安は感じない(「全く不安は感じない」「どちらかと言えば不安は感じない」の合計)との回答割合は50.1%。収入について不安は感じない(「全く不安は感じない」「どちらかと言えば不安は感じない」の合計)との回答割合は35.9%だった。
兼業・副業の実施意向は、「現在、兼業・副業を行っている」が前回調査の9.3%から10.3%に微増。「兼業・副業を行う気はない」は前回調査の63.5%から62.0%へ微減した。また、「現在、兼業・副業を行っている」「将来的には兼業・副業を行ってみたい」と考えている割合は、自身の雇用に「不安を感じない」と回答した雇用者よりも「不安を感じる」と回答した雇用者の方が高くなっている。
希望する働き方については、「同じ勤め先で長く働き、異動や転勤の命令があった場合は受け入れる」(メンバーシップ型)が33.7%。「仕事内容や勤務条件を優先し、同じ勤め先にはこだわらない」(ジョブ型)が66.3%となった。
自己啓発に前向きな割合(「行っている」「行っていないが、始めたいと思っている」の合計)は前回調査の37.1%から36.4%に微減。「特に取り組む意向はない」との回答は63.6%で過去最多だった24年7月調査(64.7%)に次ぐ水準となった。
テレワークの実施率は過去最低の前回調査(14.6%)から16.8%に微増。従業員1001人以上の大規模企業と101~1000人の中規模企業のテレワーク実施率の上昇が全体の実施率上昇をけん引した。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行した23年5月以降(同年7月調査以降)の実施率平均は15.6%で、柔軟な働き方として特定の企業に定着した結果と分析されている。
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