山鹿商工会議所(熊本県)は7月19日、熊本県在住の台湾人を対象とした観光プロモーション事業「山鹿観光モニタリングツアー」を開催した。同事業は、同所創立70周年記念事業の一環として企画。県内へ世界最大手の台湾企業TSMCの進出、台湾人観光客の増加を背景に、県内在住の台湾人に山鹿市の観光資源や地域文化を実際に体験してもらい、その声を今後のインバウンド観光施策に生かそうと実施した。
当日は21人が参加し、同市の観光名所である鞠智(きくち)城、こうじ専門店を見学したほか、市内事業所でのうちわづくりや伝統工芸の繭人形づくりも体験した。参加者からは「体験を通して現地の文化に触れられてうれしかった」「山鹿の文化、特産、酒や美食について理解できた」という声が挙がった。
同所では今後、参加者からの声を生かし、観光資源の磨き上げを行う。また、交通の利便性、多言語対応、飲食や買い物に関するニーズを改善し、台湾人観光客がより安心して滞在できる環境整備を進める。
同所担当者は「温泉街や観光施設との連携強化、体験プログラムなどを組み込むことで観光消費の拡大が期待される」と地域経済への波及効果に期待を示した。