能代市は、秋田県北西部に位置し、日本海に面する人口約4万7千人のまちです。世界自然遺産「白神山地」など緑豊かな森林地帯に囲まれ、海岸沿いには日本最大規模の松林「風の松原」が連なっています。大正から昭和初期は、秋田杉を中心とした木材産業が栄え、「東洋一の木都」とも呼ばれていました。現在は、JAXA能代ロケット実験場があり、「宇宙のまち」として知られているほか、近年では、火力発電所や風力発電所による「エネルギーのまち」とも称されています。
特に風が強いことから「風のまち」としても知られ、風況に恵まれた環境を生かし風力発電事業の適地として注目されています。市内に数社ある風力発電会社のうちの一つ「能代パワー発電株式会社」は、地域活性化と環境保全に取り組むため、私が代表取締役を務める株式会社能代資源の風力発電事業部門として2015年に設立しました。現在、当社敷地内で2基運転しています。
市内のイベントとしては、バスケットの名門「能代工業高等学校」(現・能代科学技術高等学校)の活躍にちなんだバスケットボール関連の各種イベントのほか、能代商工会議所が主催する「港まつり 能代の花火」が有名です。能代の花火は、1000メートルの超ワイドスターマインや東北唯一の三尺玉など1万5千発もの花火を打ち上げる夏の一大イベントとして定着しています。
さて、私の本業である産廃事業は、父が創業し今年3月に70周年を迎えました。販路を海外に向け、中国、台湾、ベトナムへと商圏を広げる中で得た人とのつながりは、一昨年から商工会議所で人材確保事業に取り組むきっかけとなりました。
というのも、当所では、当地域において人口減少、働き手・担い手の減少などで人材確保が喫緊の課題となる中、特に人手不足が深刻化している介護事業に着目し、一昨年の暮れに外国の大学生のインターンシップ制度を取り入れた人材確保事業を開始しました。本事業の特徴は、監理団体として学生を仲介する技能実習制度とは異なり、大学などと協定を締結してインターンシップ制度を実施するところにあります。昨年の6月にベトナムの大学、同9月にはインドネシアの大学とインターンシップ制度の協定を締結しました。今年度は7月にトライアルでベトナムから1カ月インターンシップ生を迎えています。
企業を取り巻く環境は日々変わってきています。そんな中、私は経済アナリストの馬渕磨理子氏の座右の銘「無形は無敵」に倣い、形にとらわれず、自ら主体性を持ち、柔軟な姿勢で商工会議所事業を推進してまいります。
