むさし府中商工会議所(東京都)は12月1日から、同所が実施主体となり、デジタル地域通貨「ふちゅPay」の運用を開始した。消費による所得の市外流出が大きい府中市の地域内経済循環を高め、持続的な地域経営を実現することが目的。市内で生まれた所得を「ふちゅPay」を通じて市内で消費してもらい、地域通貨による持続可能なモデルを構築するとともに、郷土愛・地域意識を高め、同市の経済発展を促進する。
「ふちゅPay」は専用アプリをインストール後、アプリ内で「ふちゅコイン」をチャージすることで市内の加盟店で利用できる。コインと同様に支払いに使えるポイントの付与機能も実装。運用開始に合わせ加盟店で購入した金額の30%をポイント還元するキャンペーンを15日まで実施している。同所は特設ページの設置やチラシを作成するなど、市内の事業者に広く「ふちゅPay」の活用をPRしている。
同市は電車の停車駅が多く、人が入りやすく、出やすい地域であり、再開発などの影響により商店街の商工業者が減少しているなど、今後も人口減少による地域内の購買活動の減少と経済の縮小が懸念されている。同所ではこうした課題を解決するため、市と共にプレミアム商品券のデジタル化に取り組むなどキャッシュレス決済を用いた地域通貨の流通を実験的に実施。電子地域通貨の導入に向けた課題の分析を行ってきた。その中でポイントをデジタルで受け取れるとよいという声があったことから、地域通貨のデジタル化を行った。
今後は、事業者のニーズなどを考慮しながらアプリを改善し、導入店舗の拡大、住民への販売拡大、関連団体と連携したチャージ体制の整備・充実化、地域通貨を活用した持続可能な社会モデルのPRを図る。
詳細は、https://fuchupay.jp/を参照。
