ひたちなか商工会議所(茨城県)に事務局を置く「ほしいも魅力発信プロジェクト」は「2019年度全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の大賞を受賞し2月14日、「全国商工会議所観光振興大会2020㏌金沢」で表彰された。干し芋を観光資源としてとらえた一連のプロジェクトが地域活性化につながっていると評価されたもの。昨年11月には「ほしいも神社」が創建され、観光振興に一層拍車が掛かる。
ひたちなか産の干し芋といえば、国内生産量シェア9割を誇る特産品。ひたちなか商工会議所などでつくるほしいも魅力発信プロジェクトでは、農家ごとに異なる製法や地域の風土を生かした干し芋に関連する歴史をまとめた文化的資料となる書籍『ほしいも学校』の発刊や、販路拡大のために菓子組合との連携で企画開発した土産品の販売など、干し芋の消費拡大と地域資源のブランディングに取り組んできた。
インバウンド誘客にも積極的で、台湾への観光プロモーションや海外展示会への出展を行うなど、干し芋をテーマとした観光拠点の整備を行っている。昨年11月23日には、同市内の堀出(ほりで)神社境内に「ほしいも神社」が創建されて話題となっている。ほしいも神社は、掘出神社の宮本宮司が3年前に発案したもので、干し芋の研究などを行う「ほしいも学校」の小池勝利理事長はじめ、同所の鈴木誉志男名誉会頭の協力の下、市内外の農家などからの寄付を集めて完成した。
社紋は「干し」と「星」をかけ、星の中にシワをつけて「ほしいも」を表現。プロジェクトのディレクションを手掛ける佐藤卓氏がデザインした。ご利益は、干し芋にかけて「欲しいものがすべて手に入る」。黄金色に輝く鳥居が並ぶ様子がSNS映えすると評判となり、すでに多くの観光客が訪れているという。直売所で干し芋を販売し、夜のライトアップなどで集客を図りつつ、今後はイベント開催も計画しており、新名所として観光の中核を担うことが期待されている。
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