日本商工会議所は2月13~15日、金沢商工会議所、石川県商工会議所連合会と共に、「全国商工会議所観光振興大会2020㏌金沢」を石川県金沢市などで開催した。大会には、全国199商工会議所・連合会などから約1200人が参加した。今年の大会テーマは「守るチカラ。創るチカラ。~伝統と革新~」。全体会議で採択された「金沢アピール」では、「各地において、伝統の技、老舗の味、もてなしの心などを大切に受け継ぎつつ、たえず革新にチャレンジし、持続可能な観光振興を進めよう」と全国の商工会議所に呼び掛けた。
全体会議であいさつした日商の三村明夫会頭は、「経済の持続的成長を確かなものとするには、各地域が官民の総力を結集して進める地方創生が不可欠」と指摘。関係する産業の裾野が広い観光の振興を地方創生の「切り札」と述べ、一層の取り組み推進に期待を寄せた。
2019年の訪日外国人旅行者は3188万人と過去最多を記録した。三村会頭は、こうしたインバウンドの経済効果を全国各地に広げていくためには、「訪日客の約6割を占めるリピーターにいかに魅力ある観光メニューを提供できるかが鍵」と強調した。そのためには、観るもの、聴くもの、食べるものに付加価値を付けることや、参加・体験できるコンテンツを増やすことが求められる。三村会頭は、「『その地域ならでは』という個性や特徴を大事にすることが重要」と述べるとともに、広域連携の必要性を訴えた。
引き続き日商観光委員会の篠辺修共同委員長が講演を行い、各地商工会議所における観光振興への取り組み状況を報告した。また、「2019年度全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の表彰式を実施するとともに、大賞を受賞したひたちなか商工会議所(茨城県)の「ほしいも魅力発信プロジェクト」の事例発表を行った(関連記事4・5・7面に)。その後、基調講演やパネルディスカッションを実施し、大会テーマである「守るチカラ。創るチカラ。」の理解を深めた。
次回大会は、2020年11月11~13日に沖縄県那覇市などで開催する。
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