日本商工会議所青年部(日本YEG)は、2019年8月17日、清水園(埼玉県さいたま市)にて、日本YEG研修委員会担当事業「翔生塾/“クラウドファンディング”を活用した売上拡大~資金調達から売上アップへの最短・最速到達法を学ぶ~」を開催した。当初、定員は200人であったが、最終的に270人もの登録があり、盛会となった。
「翔生塾」とは、YEG会員の円滑なビジネスをサポートするため、経営者としての資質向上を目的とした経営セミナーである。今回は、“クラウドファンディング”(以下「CF」)に焦点を当て、日本最大級のCFサービスである「Makuake」を運営する株式会社マクアケ取締役の坊垣佳奈氏の講演、YEGメンバーによるCFの活用事例発表、希望者への公開コンサルティングなどを実施した。
坊垣氏の講演では、CFを上手に活用し、資金調達や販路開拓を実現するために何をしなければならないかなど、具体的な過程やアイデアをビジネスに変える方法の説明があり、思い描いたアイデアを実現するには、どのようなステップで行う必要があるのか、何が足りていないのかなどCF活用の秘訣を理解することができた。
その後、YEGメンバーによる事例紹介では、商品サービスの内容、実際の資金調達や成功までの期間や苦労など、実際の体験談を聞くことで具体的なスケジュールをより明確に描くことができた。
プログラム後半の公開コンサルティングでは、6人のYEGメンバーが株式会社マクアケの専門家からのアドバイスを受け、おのおのが考える事業のブラッシュアップを行った。
CFは、一般的には資金調達の手段としてだけでなく、新商品発表やテストマーケティングの場としても非常に良い手段となり、販路拡大の足掛かりとすることが可能である。今回の「翔生塾」を通じて、新商品や新サービスを売り出す際にCFを活用することで、コストを抑えながら、効率的な資金調達やマーケティング活動ができるということを学んだ。
参加者からは「単なる資金調達に終わらないやり方があるなど、いろいろな発見があり、とても勉強になった」「中小企業がマーケティングを実施するのは難しいと思い込んでいたが、新たな一歩を踏み出す勇気をもらった」などの感想を多く聞くことができた。
令和元年度日本YEG研修委員会・蓑輪寿宏委員長のコメント
今回の翔生塾は、全国のYEGメンバーがビジネスにおいてさらなる飛躍を果たせるような内容にしたいと研修委員会一同で考えた結果、「CFを活用した売上拡大を目指す」というテーマを設定し、実際に参加者がアイデア構築に取り掛かれるようなプログラムとしました。
全国のYEGメンバーの中には、CFを上手に活用して、ビジネス拡大に成功している方も多くいます。しかしながら、多くの方は、それは縁遠いものと思っていたのではないでしょうか? CFは、資金集めのツールと思われがちですが、むしろ新商品・新サービスの発表の場、テストマーケティングの場と考えれば、まさに販路拡大の足掛かりとすることができます。言い換えれば、地域で商売をしているYEGメンバーにとって、販路を伸ばすために気軽に取り組むことができるツールであると言っても過言ではありません。今回の翔生塾の内容が、一人でも多くのYEGメンバーのビジネス拡大につながることを願っています。
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