日本商工会議所は6月6日、「人手不足などへの対応に関する調査」の結果を公表した。人員が「不足している」と回答した企業は、前回(2018年度)調査比プラス1・4ポイントの66・4%となり、深刻な人手不足の状況が続いていることが明らかとなった。今後3年程度の人員充足の見通しについては、52・1%の企業が「不足感が増す」と回答した。調査期間は3月25日~4月25日。全国2775社から回答を得た。
人員の過不足状況を業種別に見ると、「介護・看護」が、前回調査比プラス11・2ポイントの79・2%となり、人手不足感が急激に高まっている。また、「宿泊・飲食業」および「運輸業」における人手不足企業の割合が8割程度で高止まりしており、深刻な状況であることがうかがえる。
従業員規模別に見ると、5人以下は44・1%、6~10人は56・5%、11~20人は62・3%、21~50人は64・7%、51~100人は70・0%、101人以上は77・3%と従業員規模が大きいほど、人手不足企業の割合が高くなっている。一方、前回調査と比較すると、21~50人はマイナス0・1ポイント、51~100人はマイナス0・7ポイント、100人以上はプラス0・2ポイントとほぼ前回と同水準であったが、5人以下はプラス2・2ポイント、6~10人はプラス3・4ポイント、11~20人はプラス5・0ポイントと前回に比べ人手不足感が強まっている。
人員が充足できない理由を、①そもそも採用できない、②自社の処遇や制度・魅力、③ミスマッチ・定着しないなど─の三つのカテゴリー別に聞いたところ、①では、自社の「立地地域に求めている人材がいない(人口減少や大都市圏への流出などでそもそも人がいない)」(60・3%)が最も多かった。②では、自社が属する「産業・職種に魅力がない(業界の将来見通しに不安があるなど)」(44・6%)が、③では、入社した人材が「ミスマッチを感じて退職してしまう」(39・4%)が最多となった。
求める人材としては、「一定の経験を有した若手社員」(63・0%)が最も多く、「即戦力となる中堅層・専門家」(61・2%)が後に続いている。
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