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「下町育ちの再建王」の経営指南 時流を見すえて舵を取る

消費税増税を目前に新年の景気が気になるところですが、私は毎年年末には新年の時流を予測する講演を行っています。それを聞いて翌年以降の事業方針を決める企業もいらっしゃるので、国内外の政治、経済、天候など時流を生み出すさまざまな要因に関する話をします。今回はその中でも最も気になる時流について話をさせていただきます。

国の経済状態は政治と大きく関係しており、ある程度政治にコントロールされています。ですから為政者の意向をよく考えると、ある程度の流れが見えてくるものです。

今年は、まず1月から3月は円安で株価が高く好景気となるでしょう。というのは、4月になるまで不景気が続くと、増税に対する国民や経済界からの反発が大きく、現内閣に批判の声が集中します。ですから短い間でも4月までは好景気とし、消費税の出だしをスムーズに迎えようとするでしょう。4月以降はそのツケがまわり、円高で株価が下がり不景気となり3カ月は回復できないと思われます。が、それも9月までで、秋にはまた景気が戻ってくると見ています。

ただ、景気が上向いて大企業や輸出企業は好業績であっても、所得の二極化はさらに進み、年収300万円以下、200万円以下の人が急に増え、日本の平均所得は減っていきます。地域別最低賃金は上がっても、パート・アルバイト・契約社員が多くなり正規雇用の人にはあまり影響はありません。

2014年の9月から先の一年間は世界で大きな事件が起きるかもしれません。

ギリシャ、スペインなどの経済が不安定なEU、貧富の差などの諸問題が引き金となり暴動が頻発する中国、アメリカに至っては3月・6月・9月にはまたドルを刷らないと破産するという話もあります。もちろんこれまでと同様にアメリカは上手に回避するでしょうが、万が一そのようなことになったら世界の基軸通貨はどうなるのか、と不安要素を挙げるとキリがありません。

3・11により日本人の価値観は変わり、人と人の絆の大事さに気付きました。そのように、大きな出来事があると、人の価値観が変わり消費にも変化が起こります。世界が変化するとき、時代に合っている会社が成長し、前と同じことをしている会社は苦戦を強いられ、存続の危機に陥ります。時流を見すえた舵取りが迫られる時代です。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

お問い合せ先

社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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