先日、あるタレントが経営するラーメン店の将来性をラーメンの評論家が診断するという企画のテレビ番組を見ました。その店のラーメンは大きな特徴はありませんが、かなりおいしくプロの点数も高いもので、店の関係者は、一度食べてもらえばファンがつくはずだ、という自信を持っていました。しかし、ラーメンの評論家の90%が、その店を1年以内に潰れる、と診断したのです。
ラーメン屋がある東京の神田というまちは、42軒ものラーメン店がひしめくラーメン激戦地です。近隣には濃厚な鶏白湯、濃厚魚介スープ、ご当地ラーメンなどなど、個性の強いラーメン店がたくさんあります。このような激戦地でラーメンを選ぶ場合、自分の住むまちにもありがちなラーメンで、多少おいしい一杯よりも、特徴があるものを選ぶものです。競争が厳しければ厳しいほど求められるのが、独自固有の長所であって、ちょっとおいしいくらいでは差別化できないわけです。
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