政府はこのほど、今後1年を目途とした政府の観光政策の行動計画「観光ビジョン実現プログラム2019―世界が訪れたくなる日本を目指して―」を策定した。同プログラムでは、①外国人が真の意味で楽しめる仕様に変えるための環境整備、②地域の新しい観光コンテンツの開発、③日本政府観光局と地域の適切な役割分担と連携強化─の3テーマを主な柱に、外国人の地方への誘客・消費拡大などに取り組んでいくとしている。
政府は、2016年に決定した「明日の日本を支える観光ビジョン」で、2020年の訪日外国人旅行者数4000万人、訪日外国人旅行消費額8兆円などの目標を掲げている。
同プログラムには、こうした目標の実現に向け、①については、多言語対応や無料Wi―Fi、キャッシュレス、鉄道やバスなどを一体的に検索・予約・決済できるシステムである「MaaS」と観光地までのアクセスの充実などの受け入れ環境整備を早急に進めていくことが盛り込まれている。
②については、「日本博」の全国各地での開催による国宝・重要文化財の展示・活用、公的施設の公開時間延長、クルーズ客の満足度向上に向けた体験プログラムの開発や地元商店街への誘導、スノーリゾート活性化、観光列車・サイクルトレインの導入促進などに取り組むとしている。
③については、自治体・観光地域づくり法人の役割の明確化、日本政府観光局が各地域の情報・魅力を海外に向けて一元的に発信するための体制強化、日本政府観光局が各地域に提供するデジタルマーケティングの強化などを打ち出している。
そのほか、顔認証システムなどによる出入国の迅速化、ビザの戦略的緩和、観光地の混雑対策などに取り組んでいく。
石井啓一国土交通大臣は記者会見で、「今後、観光立国の実現に向けて、本プログラムを政府一丸、官民一体で着実に実行していく」と述べた。
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