大学駅伝で青山学院大学を優勝に導き、一躍、時の人となった原晋監督。スパルタで過度なトレーニングをさせることは、今の時代の選手たちの底力を引き出すにはそぐわないと考えて、トレーニングは自主性を尊重。のびのびと成長させるその指導法は、昨年から話題になっています。また、各年の大会を「ワクワク大作戦(2015年大会)」「ハッピー大作戦(2016年大会)」と名付けるなど、「言葉の力」を用いて選手の心に火をつけるのが原監督流です。
ライバルの他大学が毎年新しいトレーニング法を導入して、選手の体力や精神力を高めようとしている中、同じトレーニングだけを続けることは、他校と比べると退化していると言わざるを得ない。『進化しないことは、退化と同じ』と、監督は述べています。
これはビジネスにもそのまま通用する考え方で、私は今年の4月、アメリカ視察でそのことを強く感じたのでした。
この数年私は宝石店の方々と専門的な視察に行っていたので、専門分野以外の店舗巡りをしていませんでした。今回はお客さまの要望もあり、注目されているモールや人気店の視察などを行いました。印象的だったのは「ウォルマート」が進化していなかったことです。30年前から見ていますが、この10年はほとんど変わっていません。進化していないのです。これを最終形と考えているのかもしれませんが、マーケティングに最終形はありません。
安いという切り口だけで、人は集まらない時代。マクドナルドやフレッシュネスバーガーなどのバーガーチェーンが高いハンバーガーを発売するのは、高級路線を狙いたいからだけではありません。変化をつけているのです。安いものを求めているお客さまにも、基本の商品だけを求めるお客さまにも、変化し進化し続けている姿勢を見ていただかないと、他社と比較したとき、退化したような古ぼけた存在になってしまうのです。
おそらくアメリカでは、あと3年か5年で時代に合った新業態が生まれてくるのでしょう。すでにどこかにその新芽があるのかもしれません。
日本でも同じことが言えます。東京オリンピックまでは景気が良く、それが終わると不景気が来ると言われています。あと4年か5年で景気が悪くなることはわかっているのです。新業態というのは、不景気に生まれるものなので、2020年から2022年くらいにあらゆる業種に新業態が生まれる可能性があります。どういう業態が求められるのか、景気の良いときにリサーチして考え、新業態を準備した会社が、次の時代のトップランナーとなるわけです。
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社名:株式会社 風土
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担当:髙橋
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