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「下町育ちの再建王」の経営指南 舩井幸雄の言葉に学ぶ ~コンサルティングを成功させるには~

私は昭和59(1984)年に船井総研に入社し、当時の社長・舩井幸雄氏から多くの事を学びました。講演や書籍で、ご存知の方も多いのではないでしょうか。やさしい言葉で要点を突いた教えは、事業の支えになりますから、私の経験をもとにして、これから時々紹介させていただこうと思います。

まず今回は、コンサルティングの効果を最大限生み出すために必要な、二つの思想から。一つ目は 『過去オール善』です。これまでに起きた事は、必要、必然、ベストと考えること。そして、二つ目は、成功の条件である『勉強好き・素直・プラス発想』です。私の経験からも、この二つが無ければ、大きな効果をあげることはできませんでした。

船井総研は、コンサルティング先を営業で求めず、私どもの講演を聴いて心に響いた方から、事業の悩みを相談していただき、その解決法を提案する、という受け身の形で仕事を始めます。自ら申し込んでいただくことで、『勉強好き・素直・プラス発想』の持ち主であるお客さまであることが分かります。

さて、『過去オール善』ですが、「あの時こうしていれば……」とか、「あの人がこうしたから……」とか、昔の出来事を論ずるのは時間の無駄です。過去があるから今がある。そして、その〝今の可能性〟を最大限に引き出すのがコンサルタントの仕事です。

船井総研に入って数年たったころ、支援先のオーナーの息子さんが亡くなり、舩井社長と葬儀に伺いました。悲嘆に暮れるオーナーご夫婦に対して舩井氏は、慰めの言葉も掛けましたが、最後に、「全てのことは、必要、必然、ベスト。これもチャンスと考え、糧にして頑張ってください」と言ったのでした。

こんな事さえもそう考えるのか、と私は非常に驚きました。これは極端な例ですが、過ぎた時間は戻りません。人は全ての出来事をプラス発想で受け入れて生きるしかないのです。

コンサルタントと付き合って結果を出す秘訣ですが、成功する会社としない会社の違いは明快です。「この方なら」と思える、信頼できるコンサルタントに出会い、その方の提案に納得したら、全部飲み込む覚悟が必要です。疑問や問題を感じたら、コンサルタントに素直に話をして改善してください。「この部分は聞くけど、これはね……」という良いとこ取りをしようとするのが一番損をします。社員と一緒になって陰でコンサルタントの批判などしてしまったら、社員はその後、評論家になってしまいます。高価な契約料をドブに捨てるようなものです。

トップが本気になり旗を振って、社内一丸となって目標に向かってください。必ずや結果を出すことができるでしょう。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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