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新型コロナウイルスの影響長期化を踏まえた中小・小規模事業者の事業継続に向けた緊急要望(概要)

2020年5月19日 日本商工会議所

Ⅰ 影響長期化に伴う、倒産・廃業防止に向けたさらなる政策対応

○影響長期化に伴い、人件費や家賃などの固定費負担などで、日増しに経営悪化する中小・小規模事業者などの倒産・廃業のさらなる急増が懸念。売り上げ回復が見込めず、事業継続を諦める事業者も出始めている。

○地域経済社会の基盤である、小規模・中小・中堅企業の事業継続のため、政府支援策がより迅速に広く行き渡る一層の体制整備・強化と、さらなる支援策の拡充と追加対策を果断に講じるべき。

1.倒産・廃業を防ぐためのさらなる支援

(1)雇用調整助成金の円滑な申請・支給・上限額の引き上げ

1.マンパワーの強化や申請手続きオンライン化による申請・審査段階での「目詰まり」解消、2.生産指標要件など申請要件の緩和・撤廃、3.助成金の前払い、4.1人1日当たりの上限額8330円の国庫負担による引き上げ、5.相談体制の強化

(2)貸倉庫・工場・事務所などの賃料助成制度の創設、不動産オーナーが賃料の猶予・減免などに応じやすい環境整備(土地・建物などの固定資産税の減免など)

(3)持続化給付金の拡充(売り上げ減少要件の緩和、規模に応じた給付額上限引き上げ、複数回支給)

(4)中小・中堅企業の財務基盤強化に資する出資、資本性劣後ローン、税制による支援強化

○企業の資本強化に向けた、政府系金融機関、ファンドによる出資・資本性劣後ローン、欠損金繰越控除拡充、建物などの減価償却の前倒し措置、固定資産税や事業所税の軽減

(5)無利子・無担保融資の民間金融機関の積極活用、創業間もない者への売り上げ減少要件の緩和

(6)社会保険料などの減免

(7)商工会議所経営相談窓口の体制強化

2.危機に直面している地域企業への支援

(1)地方創生臨時交付金の大幅な拡充、国による認定の簡素化・迅速化

○倒産・廃業の危機に直面する地域企業への支援は待ったなし。地方創生臨時交付金の大幅な拡充、国から県などへの休業協力企業の負担軽減を図る給付金の財源への積極活用の指導

(2)クラウドファンディングを活用し資金調達を行う者への助成

(3)官公需の予定どおりの発注と納期などの柔軟化、予定価格見直しと迅速な支払いの実施

3.事業継続に資する環境整備

(1)引き上げの凍結も視野に入れた、最低賃金の適正な水準の決定

(2)取引環境の適正化と大企業と中小企業の共存共栄

○感染拡大の混乱に乗じ、不当な契約の打切り、適正なコスト負担を伴わない通常より低価格での受注、知財やノウハウ提供が迫られる事態防止への取引環境適正化への取り組み推進

(3)政策効果の検証と政策効果を行き渡らせるための手続きの簡素化・迅速化

Ⅱ 影響長期化を見据えた、感染拡大防止と経済社会活動の両立支援

○緊急事態宣言解除後も直ちに流行前の経済社会活動に戻ることはない。新たな感染拡大の防止と経済社会活動の両立に配慮した取り組みが段階的に移行していくための環境整備が不可欠。

○「新しい生活様式」に対応したビジネスや経済社会の推進の最大の方策は、デジタル技術の活用。人手不足克服や生産性向上を変革する好機として、中小事業者などのデジタル実装を強力に支援すべき。

1.感染拡大防止と経済社会活動の両立支援

(1)緊急事態宣言の解除または再宣言に対するより分かりやすい基準の明示

(2)新たな感染拡大の抑制・防止と経済社会活動の両立

○「新しい生活様式」の下、仕事、飲食店などの営業、イベント開催、人の移動などの許容範囲を段階的に緩和していくための業種別ガイドラインなどが適切に実行される環境整備が必要

(3)「新しい生活様式」に対応した事業活動再開に向けた設備などの費用補助(対面接触抑制のための改装など)

(4)地方空港や駅の利用客の安全確保に向けた体制整備

(5)中小企業の新卒採用支援、学業継続が困難となる大学生などへの支援

(6)ハローワークの就職支援機能の強化など

2.デジタルを活用した新たな変革支援

新しいビジネスモデルへの変革支援

(1)中小企業におけるテレワーク導入支援の拡充

○働き方改革推進支援助成金のPCなどの対象化、補助率の引き上げ、少額減価償却資産特例の拡充(年間限度額300万円引き上げなど)

(2)中小企業デジタル化応援隊事業の補助額引き上げと複数年度化

(3)電子チケットを活用したコンサートや演劇などのイベントのライブ配信に対する費用助成

(4)ECサイト構築・活用による地域特産物などの販売支援

(5)オンライン展示会・商談会などによる販路拡大への支援

新しい経済社会への変革を加速化させる環境整備

(1)行政の対面手続き・書面手続きの抜本的な運用改善

(2)マイナンバーの活用による社会基盤の整備、マイナンバーカードの普及促進

○真に救済が必要な者を迅速で確実に支援できる基盤整備、マイナポイント上限額引き上げでマイナンバーカード普及促進

(3)キャッシュレス決済のさらなる推進

(4)デジタル回線網の混雑解消・遅延防止の対応

3.今後の需要喚起・供給力向上への支援

(1)旅行や飲食、イベントなどの需要の回復に向けた支援

○商店街含む域内消費喚起のための「GO TO キャンペーン」を活用した事業活動支援、クーポン券などプレミアム分の補助、同施策が実施可能となる条件や環境のあらかじめの提示が必要

(2)国際的なサプライチェーンの国内再構築への支援