日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2015年の訪日外客数が前年比47・1%増の1973万7000人となり、過去最高だった昨年を大幅に上回り、年間2000万人の政府目標に迫ったことを発表した。1970年以来、45年ぶりに訪日外客数が出国日本人数を逆転したほか、訪日外客の消費総額も3兆4771億円と過去最高を更新。昨年の2兆278億円から7割も増加している。
JNTOでは、増加の要因として、「クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、継続的な訪日旅行プロモーションによる旅行需要の拡大、円安による割安感の定着、ビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充などが増加を後押しした」と分析。特に、韓国を抜いて国別1位となった中国については、北京、上海、広州の三大市場のほか、瀋陽や青島、南京、成都などの地方都市で実施した誘客促進策などにより、「訪日旅行市場全体の需要が底上げされた」としている。
市場別では、主要20市場のうち、ロシアを除く19市場が年間の過去最高を記録。東アジア4市場(中国・韓国・台湾・香港)で全体の72%を占めたほか、米国が欧米市場で初めて100万人を超え、東南アジア6市場(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)が合計で200万人を超える規模となった。
訪日外国人旅行消費額は年間値で初めて3兆円を突破。前年比で、71・5%増となった。
訪日外国人旅行者の1人当たり旅行支出は、17万6168円と前年に比べ、16・5%の大幅増を記録。国別1位で約500万人が訪れた中国人の1人当たり支出(28万3842円)が全体の数字を引き上げた。
1人当たりの旅行支出を費目別に見ると、買物代が7万3663円と最も高く、次いで宿泊料金(4万5465円)、飲食費(3万2528円)の順で高い。国籍・地域別に見ると、アジア諸国では買物が主な目的の旅行者が多いのに対し、欧米諸国は、比較的長期間の滞在で、日本の歴史・伝統文化体験などを楽しむ旅行者が多いことなどから、宿泊料金が最も高い国が多い結果となっている。
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