江ノ電の線路横に構えた店の入り口と、電車の距離は約2メートル。のれんをくぐると、背後すれすれにチンチンゴトンゴトンと電車の音、手を伸ばせば触れそうな近さだ。
昭和24(1949)年創業、先代のころから食肉とともに評判の良かった手づくり叉焼(チャーシュー)が、現在の「炭火焼豚」。しょうゆと野菜類がベースの〝秘伝だれ〟に漬けた国産豚のモモ肉を、炭火でじっくり焼き上げたその味は、噛むほどにじわりとタレの味が口の中に広がって、やめられないおいしさだ。スライスしてそのまま食べてもよし、サンドイッチに挟んでもよし、刻んでチャーハンの具にしてもよし。また、ゴーヤチャンプルーに混ぜても合う。応用範囲が広いので、おかずの常備品としていつも傍に置いておきたい一品である。
そして、包装袋に描かれた版画絵もまた風情がある。店名を掲げた看板や江ノ電、線路、枕木まで、実に旅情を誘い、またこの店に行きたいと思わせる。
ほかにも、「秘伝だれ 豚そぼろ」は、これぞ〝究極のご飯の友〟。刻みショウガと煎りゴマの香りが効いていて、ほろりとした甘さがたまらない。これを炊きたてのご飯にたっぷりのせて頬張ってみて。ほら、ね!
Data
社名:有限会社稲村亭
住所:神奈川県鎌倉市稲村ガ崎1-13-25
電話:0467-24-8101
Information
電話のほか下記よりネットでお取り寄せも可能
最新号を紙面で読める!