日本商工会議所は4月26日、東京商工会議所と共同で、「専門的・技術的分野の外国人材受け入れに関する意見」を取りまとめた。同意見書では、現行の出入国管理制度では認められていない、一定の専門性・技能を有する外国人材を「中間技能人材(仮称)」と定義し、新たな在留資格を創設した上で、積極的に受け入れていくことを求めている。 (意見書概要紙面左に)
同意見書では、中間技能人材の創設に当たっては、原則、人手不足の業種・分野であることを受け入れの基本的な条件としているほか、アニメやファッションなどのクールジャパン関連、宿泊や観光などのインバウンド対応が期待される分野も対象とすべきとしている。また、期間は他の在留資格と同様に5年を上限に更新可とすべきとしている。
一定の専門性・技能については、受け入れる業種・分野ごとに政府がそれぞれ設定すべきと提案。専門性・技能を裏付ける要件として、母国における5年程度の実務経験や技能実習修了者などを示している。一方、日本の大学を卒業した外国人留学生が引き続き日本で就労できるよう、卒業生に特化した在留資格を創設することも要望している。
日本の人手不足は年々深刻化しており、日商が今年3月に実施した調査では、「人手不足」と回答した企業の割合が4年連続で上昇し、66・7%に達している。こうした背景の下、外国人材に対する期待と関心がこれまでになく高まっており、昨年10月末現在で、外国人労働者を雇用している事業所数は約19万カ所、外国人労働者数は約128万人に上り、近年、右肩上がりの状況が続いている。
外国人労働者数を在留資格別に見ると、「留学(資格外活動)」や「技能実習」といった原則、就労が認められていない在留資格で就労している者が4割以上に上り、年々増加している。日商の調査でも、外国人材受け入れのニーズが「ある」と回答した企業は41・7%となり、昨年の調査に引き続き高止まりしている。中小企業が求める外国人材は「一定の技術を有した専門職層」や「即戦力となるようなミドル人材」が多く、人手不足に悩む各業界・企業から、一定の専門性・技能を有する外国人材の受け入れを求める声が数多く寄せられていた。
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