撫菜花工藝(群馬県桐生市)
今月は、独創的なデザインに目を奪われる、「サンテックス」の陶器をご紹介します。
サンテックスという名は、世界中で愛読されている童話『星の王子さま』の著者サン=テグジュペリの愛称に由来しています。このシリーズは、サン=テグジュペリから見た近未来というイメージを、同書に登場する〝呑(の)み助〟と重ね、酒飲みたちのための器としてデザインされました。黒土でつくられた器をベースに、凹凸やパーツを付けたり、歯車やねじ、のこぎりなど身近なもので模様を付けたり、銀粉を焼き付けて古色を出したりと、その制作過程も独特です。また、これらの不思議な装飾は、サン=テグジュペリが有能な飛行士でもあったことから、昔の飛行機のコックピットのような「よく分からないけれど機械的な雰囲気」を表しています。
撫菜花(なずな)工藝の古川真紀子さんは、どこを持とうか、どこに口をつけようか、そんなふうに毎日楽しめる作品を制作。一つ一つが唯一無二の逸品です。
最新号を紙面で読める!