日本商工会議所は7日、「人手不足などへの対応に関する調査」の集計結果を取りまとめた。中小企業における人員の過不足状況について、65・0%の企業が「不足している」と回答した。昨年調査よりも4・4ポイント上昇し、4年連続で5割を超えるとともに、過去最高を記録した。業種別では、昨年調査と同様に宿泊・飲食業の人手不足感が最も高く、約8割の企業が「不足している」と回答した。調査は、3~4月にかけて全国の中小企業4108社を対象に実施。2673社から回答を得た。(関連記事2面に)
従業員規模が10人以下および301人以上の企業では、「不足している」と回答した割合が昨年の調査結果と比較して改善した。一方、11~300人の企業では、「不足している」と回答した割合が、昨年の調査結果と比較して悪化した。「不足している」と回答した割合が最も高いのは、101~300人の企業で78・5%となった。301人以上の企業では、「不足している」と回答した割合が昨年の調査結果と比較して減少していることから、中堅企業が最も人手不足の影響を受けていることがうかがえる。
今後3年程度の人員充足の見通しについては、全体の5割以上の企業が「不足感が増す」と回答。「現在と同程度の状況」を選択した企業も43・1%に上ったことから、今後、数年間は人手不足の状況が続くとみられる。また、人手が「不足している」と回答した企業に限ると、6割以上の企業が「不足感が増す」と回答した。
人員が充足できない理由は、「自社の立地する地域に求めている人材がいない(人口減少や大都市圏への流出などでそもそも人がいない)」が56・8%で最多となった。「自社が属する産業・職種に魅力がない(業界の将来見通しに不安があるなど)」が42・9%、「入社した人材がミスマッチを感じて退職してしまう」が36・2%で後に続いた。
求める人材としては、「一定の経験を有した若手社員(第二新卒など)」が64・2%で最も高く、次いで「即戦力となる中堅層、専門家」が61・8%となった。特に、「新規学卒者(高卒)」は昨年の調査結果と比較して約10ポイント上昇しており、若年層の人手不足が顕著になっていることがうかがえる。一方、「一般職層・非専門的な人材(パート・アルバイトなど)」は、昨年の調査結果と比較して約7ポイント減少した。
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