政府の経済財政諮問会議の下に設置された専門調査会「選択する未来」委員会(会長=三村明夫日本商工会議所会頭)は14日、人口急減・超高齢化社会を超えて、日本発「成長・発展モデル」の構築を目指す報告書「未来への選択」を取りまとめた。三村会長は、報告書発表後の記者会見で、「大事なことは、改革・変革に向けた取り組みに今すぐ取り掛かることだ」と強調。今後の政府の施策に反映させるとともに、「国民各層で選択を実行に移す契機となる」ことへの期待を表明した。
報告書では、50年後の日本の人口について「1億人程度の規模を有し、将来的に安定した人口構造を保持することを目指すべきだ」と提言。少子化対策(家族関係支出)について、2020年頃を目途に早期の倍増を目指すなど、さまざまな施策を講じることで「50年後においても実質GDP成長率1・5~2%程度を維持する」としている。今後、政府の「まち・ひと・しごと創生本部」の戦略などに反映させる。
現状のままで推移すると日本の人口は60年に約8700万人まで減少すると推計されている。報告書では、まず20年までに「ジャンプ・スタート」することが重要と強調。14歳以下の年少人口の減少に歯止めをかけ、早期に出生率を回復させることで、40年には人口減少を収束させることを目指す。
50年後も経済成長を持続させるためには、65歳以上の高齢者の就業率を3%程度、30~40代の女性の就業率を5%程度引き上げるなどの数値的な目安や時間軸も示した。
同委員会の会長を務める三村会頭は、委員会後の会見で「デフレ脱却が視野に入った今こそ、動き出すとき」と述べ、人口減少対策の早期実行を強く求めた。
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