日本商工会議所は4月28日、4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。調査期間は4月14~20日。423商工会議所が2952企業にヒアリングした。
4月の全産業合計の業況DIは、マイナス21・0と、前月からプラス2・6ポイントの改善。ただし、今回の調査開始時点は熊本地震の発生前であることに留意が必要。業況DIは、堅調な観光需要や原材料・燃料価格の下落の恩恵、設備投資の持ち直しの動きに加え、「悪化」から「不変」への変化も押し上げ要因となった。日商では、「金融市場の不安定な動きに対する懸念は和らぎつつあるものの、人件費上昇や受注機会の損失など人手不足の影響拡大、消費低迷の長期化、新興国経済の減速などから、中小企業の業況感は依然として鈍く、一進一退の状況が続いており、来月以降、熊本地震の影響を注視していく必要がある」と分析している。
先行きについては、先行き見通しDIがマイナス23・1(4月比マイナス2・1ポイント)と、悪化を見込む。ゴールデンウィークに向けた観光需要拡大や設備投資の持ち直し、補正予算・今年度予算の早期執行などへの期待感が伺える一方で、熊本地震の影響の大きさや、円高によるインバウンド需要の鈍化など消費の一段の悪化、新興国経済の減速の長期化を懸念する声が出ている。日商では、「人手不足や価格転嫁の遅れなどの課題を抱える中、中小企業においては、先行きへの不透明感から慎重な見方が続いている」と見ている。
最新号を紙面で読める!