品質向上で用途も多様化
事業者から再商品化委託を受けた、ガラスびん・PETボトル・紙製容器包装・プラスチック製容器包装はどのようにリサイクルされるのだろうか。
ガラスびんについては、その7割強はびん原料となる。その他、路床、路盤などの土木材料(17%)、住宅用断熱材などの建築材料(10%)などにも使われている。PETボトルについては、自動車の内装材やカーペット、ユニフォームなどの繊維(45%)、卵パック、ブリスターパックなどで使われるシート(40%)、ボトル(13%)などになる。紙製容器包装については、全体の93%が段ボールや板紙などの製紙原料に、その他には固形燃料(6%)などになっている。
プラスチック製容器包装については、2つの処理方法に大別される。一つは、プラスチック製品の原材料を作る「材料リサイクル」で全体の4割を占める。もう一つは、化学的に分解し、再利用する「ケミカルリサイクル」で全体の6割を占める。
材料リサイクルでは、廃プラスチックを、運搬用のパレットや、再生樹脂、プラスチック板、杭・擬木、土木建材などに再商品化。近年では、リサイクル品の品質も向上しており、より高度な用途での使用が進みつつある。
ケミカルリサイクルでは、製鉄所のコークス炉・高炉などにプラスチック製容器包装の減容品を投入し、化学的に分解させ、炭化水素油、アンモニアや合成ガスを生成したり、鉄をつくるための還元剤として使用している。
公益財団法人日本容器包装リサイクル協会は、容器包装リサイクル法第21条に定める指定法人であり、コーディネーターとして、再商品化の適正な実施と制度の普及・啓発に努めている。現在(平成26年度末現在)、7万8430社の特定事業者から受託を受け、1553の市町村・一部事務組合から容器包装ごみの引き取り契約を交わしている。
また、厳正な事業者登録審査、入札選定を経て、183社に上る再商品化事業者にリサイクル業務を委託。業務実施に当たっては、当協会が状況を適宜管理し、適正に行われるよう常に厳しいチェックを行っている。
全国19カ所で説明会を開催
特定事業者は、再商品化委託について紙とオンラインの二つの方法から申し込むことができる。平成28年度の委託申し込み受付期間は27年12月7日から28年2月5日となっており、紙申し込みについては、全国の商工会議所・商工会が窓口となり申し込みを受け付けている。
また、11月から翌年1月にかけて全国19地域の商工会議所で事業者向け制度説明会・個別相談会を開催。例年1千社を超える参加者があり、容器包装リサイクル制度、申し込み方法について協会職員が分かりやすく説明し好評を得ている(本年度の開催予定は協会ホームページhttp://www.jcpra.or.jp/に掲載)。
協会では、その他にも、申し込み内容に関する問い合わせ窓口としてコールセンター(容器包装の定義、委託料金計算方法、利用量把握方法などの対応)、申し込み手続きに関する問い合わせ窓口としてオペレーションセンター(申込用紙の手配、オンライン申し込みの際のパソコン操作方法などの対応)を設け、専任オペレーターが日々対応している。また、ホームページを通じた情報発信も積極的に行っており、特にYouTubeを利用した「容リ協動画チャンネル」のコーナーでは、制度や申し込み手続きについて分かりやすく動画で解説している。
12月7日から平成28年度再商品化委託申し込み受付が始まったが、特定事業者の皆さまには、本制度を正しくご理解の上、早めのお申し込みをお願いしたい。
(大内博・公益財団法人日本容器包装リサイクル協会企画広報部副部長)
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