日本商工会議所は11月12~14日、静岡商工会議所、静岡県商工会議所連合会とともに、静岡市で「全国商工会議所観光振興大会2015inしずおか」を開催した。大会には、全国から商工会議所幹部ら約1500人が参加し、「歴史・文化資源の『再発見』と『学び』による観光振興~家康公と世界文化遺産『富士山』に学ぶ」をテーマに、地域経済の再生と観光をどのようにつなげるかを議論。広域観光の展開などを盛り込んだ「しずおかアピール」を採択した。
13日の本大会の開会式であいさつした日商の三村明夫会頭は、「地方創生の切り札は観光振興」とその重要性を強調。観光は、それぞれの地域が祭り、伝統芸能・工芸などを独自のストーリーに編集し発信できる「夢のある地域創生事業」と述べるとともに、「地域経済を支える商工会議所同士がタッグを組むことで、行政区域を越えた新しい商品やサービスの開発、観光を通じた地域産業の育成とイノベーションが促進されるものと確信している」と各地での積極的な取り組みを呼び掛けた。
引き続き日商の須田寬観光委員会共同委員長が講演を行い、各地商工会議所における観光振興への取り組み状況を報告。514商工会議所の連携による観光振興の仕組みづくりである「CCI観光NET」の推進を提唱した。
また、「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の表彰式と大賞を受賞した富山商工会議所の事例発表の後、東海大学経営学部観光ビジネス学科の宮内順特任教授が基調講演。「歴史が導く過去・現在・未来~歴史が観光の魅力を高める」と題したパネルディスカッションでは、歴史を観光資源としてどのように活用するか話し合った。
本大会閉会時には、歴史・文化を地域の魅力ある資源として磨き上げ、新たな観光開発に取り組むことを目指した「しずおかアピール」を採択。その他にも、分科会とエクスカーションを行い、観光まちづくりの現場を視察した。
次回大会は、平成28年7月11~13日に、京都市などで開催する。
しずおかアピール 歴史・文化資源の再発見、学びで魅力ある観光を創造し、地方創生につなげよう
全国どの地域にも、独自の歴史・文化がある。
われわれは、ここ静岡市において、「歴史・文化資源の『再発見』と『学び』による観光振興」に焦点をあて、「全国商工会議所観光振興大会2015inしずおか」を開催した。
地域の歴史や伝統、文化、産業などをひも解き、その価値を現代に、そして未来に展開していくことによって、きらりと光る地域固有の観光資源を磨き上げていくことができる。さらに、それぞれの地域が観光資源をストーリーとともに編集し、他地域と連携することで、世界に通用する魅力ある広域観光を創造できることを再認識し、その意義を学んだ。
商工会議所は、観光を「日本経済の再生と地方創生の原動力」と捉え、全国514商工会議所を挙げて観光振興に取り組むことを誓い、下記事項をアピールする。
記
(1)商工会議所は、それぞれの地域が有する歴史・文化を深く掘り下げ、再検証し、地域の魅力ある資源として磨き上げ、新たな観光開発に取り組む。
(2)商工会議所は、商工会議所観光ネットワーク(CCI観光NET)を活用し、各地域の観光資源をつなぎ広域観光を展開することで、国内外の旅行者の全国各地への分散・拡大を推進する。
(3)商工会議所は、観光を通じて業種を越えた連携・協働関係の構築を促し、地域産業の育成とイノベーションの促進を図ることで、地方創生の実現を目指す。
(11月13日)
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