日本商工会議所と全国112カ所の商工会議所が連携して実施している、ジョブ・カード制度を推進する事業(厚生労働省委託事業)を通じた正社員採用が4万人を超えた。今年で8年目を迎えた同事業は、受け入れ企業、訓練生の双方から好評。雇用のミスマッチの軽減に大きく貢献している。
商工会議所が全面支援
ジョブ・カード制度の職業訓練は、①キャリア・プラン、②職務経歴、③職業能力証明(免許・資格、学習歴・訓練歴、訓練成果・実務成果)の3種類のシートで構成されるジョブ・カードを応募書類として活用し、OJTとOff-JTを効果的に組み合わせて実施。有能な人材を育成・確保したい企業と正社員の経験が少ない求職者とのマッチングを促進している。
職業訓練の実施企業では、訓練生の適性や能力などを判断し、正社員として継続雇用できるため、採用時のミスマッチを軽減できる。また、一定の要件を満たす場合、職業訓練の終了後に国から助成金が支給されるため、コスト負担を軽減できるなどのメリットがある。
事業を推進する商工会議所では、「人材育成・確保支援の拠点」となる地域ジョブ・カード(サポート)センターを設置し、企業への個別訪問や説明会のほか、各種広報媒体などでPR。職業訓練を効果的に実施できるように、訓練カリキュラムなどの作成を支援するとともに、助成金の支給申請のための手続きなどについてアドバイスしている。
こうした活動の結果、事業を開始した平成20年度からの累計で、ジョブ・カード制度の職業訓練を終了した企業は3・1万社。このうち、96%は中小企業が占めているため、訓練生は1社当たり1~2人が多い。 これらの企業で職業訓練を修了した4・9万人のうち、81%を超える4万人強を正社員として採用(10月31日現在)。正社員として採用した企業からは、「ミスマッチのない採用ができた」「職業訓練の実施は初めてで不安だったが、商工会議所の支援があったので助かった」「社内での人材育成の体系を構築できた」などの声が寄せられている。
詳細は、http://www.jc-center.jpを参照。
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