日本商工会議所は8月19日、日本の中長期的な社会資本の具体的指針となる「社会資本整備重点計画(原案)」のパブリックコメントに対して意見書を提出した。直近の計画は、平成24年度から平成28年度の5年間を計画期間としていたが、加速するインフラ老朽化、切迫する巨大地震、人口減少に伴う地方の疲弊など、計画策定後の状況変化が激しいことから、計画期間の満了を待たずに改定されることになった。
意見書では、「現場を支える担い手・技能人材を確保し、次代へ確実に技能を継承していくためにも、女性を含む若年層の建設業への入職を促進していくことが不可欠」と指摘。人材不足に関する事項については、「項目を立てて記載すべき」と強調している。
また、原案で「コンパクト+ネットワーク」の地域構造への転換を目指していることを評価。「各地域を交通・通信などのネットワークでつなぐだけでなく、国と地方公共団体との連携、地方公共団体間の連携、行政と民間との連携をさらに強化していく視点が重要」と訴えた。
ミッシングリンクについては、巨大災害に対する経済・社会システムの脆弱(ぜいじゃく)性を克服するために、多重性・代替性の観点から、ミッシングリンクの解消に資する道路や、防災・医療など地域の安全・安心の実現を担う道路などのライフラインの早期かつ着実な整備を求めている。
さらに、人口減少、高齢化が進展する中で、空き地・空き店舗や空き家などの有効活用を推進するため、地籍や登記など、土地の所有・利用に関する制度・情報基盤の整備の重要性について述べている。
政府は今秋を目途に閣議決定を行い、その後、本計画を基に、全国8ブロックの地方計画が策定される予定。
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