日本はいま、長きにわたる供給過剰・デフレの状態から脱却する重要な転換期にある。この機を捉え、「経済最優先」を掲げる第3次安倍改造内閣が発足したことを歓迎したい。安定した政治基盤のもと、経済再生はもとより、大胆な規制改革や社会保障の重点化・効率化など、痛みを伴う改革が断行されることを期待する。
アベノミクスは第2ステージを迎えたが、第1の矢「強い経済」の実現なくして、第2の矢「夢を紡ぐ子育て支援」・第3の矢「安心につながる社会保障」の達成は望めない。先般、大筋合意に至ったTPPは、巨大な地域経済圏を創出するものであり、日本経済の成長に大いに貢献することが期待される。早期発効に向けて、日本は積極的に推進役を果たすべきである。さらに、民間主導の強い経済を実現すべく、安価で安定的なエネルギーの供給、深刻化する人手不足への対応など、事業環境の整備を急がれたい。
一方で、「地方創生」なくして、「強い経済」もない。官民の連携による地方発の取り組みにきめ細かな支援を講じるとともに、地域経済を支える中小・中堅企業の活性化を後押しするよう求める。
人口減少・超高齢化に直面する中、「1億総活躍担当大臣」が創設され、国全体で危機感を共有し、全省庁を挙げて対策に取り組む姿勢が示されたことは心強い。豊かで活力ある日本の創生に向け、若者・女性・高齢者が意欲をもって活躍できる地域づくりのために、514商工会議所としても積極的に貢献していく所存である。
(10月7日)
◆相次ぐ日本人のノーベル賞受賞決定について
大村智氏のノーベル生理学・医学賞受賞に続き、梶田隆章氏のノーベル物理学賞が決定したことは、大きな驚きであるとともに、この上なく喜ばしいことであり、誇りに思う。お二人に心よりお祝いを申し上げたい。
このたびの受賞により我が国の学術研究の水準の高さが評価されたことは、失いかけていた日本人の自信を呼び起こすとともに、科学技術とそれを担う人材こそが我が国の最大の資源であることをあらためて痛感させてくれた。
現在、安倍総理主導のもと、総合科学技術・イノベーション会議で第5期科学技術基本計画の取りまとめに向けて検討を進めておられるが、日本国内のみならず、国際社会の発展に貢献し、地球規模の課題を解決する科学技術力の強化に繋がるものとなることを期待する。我が国が将来に向けて「世界で最もイノベーションに適した国」として存在感を発揮することができるよう、官・学・民が総力を結集しなくてはならない。
(10月7日)
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