日本商工会議所の三村明夫会頭は1月29日、定例の記者会見で、中小企業の賃上げについて、「経済の好循環のために賃上げは必要。余力のある企業には賃上げを行ってほしい」と述べるとともに、「中小企業の場合は自社が儲かっていなくても同業他社との競合、人手の確保、従業員のモラル維持のために、防衛的な意味での賃上げが行われている」と指摘。「企業はさまざまな経営事情を抱えているので、個々の企業が自らの状況の中で判断せざるを得ない」との考えを示した。
さらに、「収益の良い企業が賃金を上げ、それが経済全体を押し上げながら、地方の企業あるいは中小企業にもそのメリットが行き渡ってから、賃上げが行われる」と述べ、中小企業への波及に期待感を表明。取引価格については、「政労使会議の合意文書により自動的に取引価格が是正されるということは保証されていない」と述べ、「中小企業へのさまざまなメリットは、ある程度遅れて出てこざるを得ない。そういう状況にある中で、賃上げが広がっていく」との考えを示した。
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