政府の有識者懇談会「選択する未来2・0」はこのほど、選択すべき未来の実現に向けて実施すべき施策などを報告書として取りまとめ、6月9日に開催された経済財政諮問会議に提出した。報告書では、主に人材への投資に焦点を当て、人材の力を引き出すことが必要と提言している。
懇談会は昨年3月に設置。「選択する未来」委員会(会長:日本商工会議所・三村明夫会頭)が2014年に取りまとめた報告書「未来への選択」を踏まえて、その後の進捗(しんちょく)状況や方向性に関する検証と新たな課題への対応などを議論していた。
報告書では、「わが国の最大の資源である人材の力を引き出し、大きな変化に戦略的に対応していくことが今こそ必要である」と強調。未来に向けて、呼び水となる人材への投資と制度改革を国が大胆に行う「ヒューマン・ニューディール」により、民間の創意工夫や投資を促し、企業だけでなく社会全体で人材を育成する大きなうねりを起こしていくことを提言している。
具体的な提案として「課題設定・解決力や創造性を重視した学びと画一的な人材活用システムの見直しなどによる付加価値創造」「自由に安心して多様な人生の選択を試みることができる仕組みの構築」「多層的で個別最適化されたセーフティーネットの拡充と安心の確保」の3点を挙げた。
初等中等教育の個別最適化、付加価値創造につながる高等教育、画一的な人材活用システムの見直し、「ソーシャルブリッジ」型の能力開発・就業政策への転換、ニーズに即した就労支援とリカレント教育、多様な働き方を踏まえた労働法制とセーフティーネット、格差是正と財源確保への取り組みなどの施策の拡充を求めている。
詳細は、https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/future2/index.htmlを参照。
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