日本商工会議所は7月16日、第707回常議員会・第286回議員総会に河野太郎規制改革・ワクチン担当相を招き、新型コロナウイルスワクチンを巡り、職域接種、自治体との共同接種の促進に向けた政府の取り組み状況などについて話を聞いた。河野大臣は、政府の要請を受け、地域における職域接種の体制を整備し、厚生労働省に申請していた多くの商工会議所が、ワクチンの供給不足が原因で承認を受けられず、職域接種を開始できないことについて謝罪。職域接種に使用するモデルナ社製のワクチンの輸入量、接種に必要な使用量の見込みなどを示し、「しっかりと情報を共有しながら、順次開始したい」と述べ、職域接種の速やかな承認と確実なワクチン供給を約束した。日商の三村明夫会頭は「一日も早く接種が開始できるよう、よろしくお願いしたい」と政府の迅速な対応を要望した。
河野大臣は、職域接種の現状について、「およそ5000の会場から職域接種の申請があり、そのうち、2000程度はスタートし、約400の会場で日程が決まっている状況。しかし、2500余の会場で開始日が決まっていない」と説明。モデルナ社製ワクチンの輸入量と職域接種に必要な量を時系列で示し、8月上旬から輸入量が必要量を上回ることから、順次、新しい接種会場でも開始できるとの見通しを示した。
また、「接種開始の3週間前に連絡をして、2週間前に冷凍庫を送付。1週間前にワクチンを届けて、接種をスタートしていただく」と大まかな流れを示すとともに、接種の開始を待っている申請者に向けては、「できる限り職域接種の進行状況をお知らせしたい」との考えを表明。週ごとに最新の状況を連絡する検討をしていることを示唆した。
河野大臣は、国で確保しているワクチンの量と輸入のタイミングなどの全体像についても説明。モデルナ社製のワクチンについては、「総量は決まっているが、輸入量がなかなか確定しない」と述べるとともに、ファイザー社製のワクチン(1億7千万回分)と合わせて、9月末までに2億2千万回分を確保できる見通しを示した。また、必要量が輸入される時期について「全ての希望する国民に2回接種するのに必要なワクチンは、9月末までに(国内に)入ってくる状況だ」との見通しを示した。
接種のペースについては、「各自治体のご努力で、想定を上回るペースで接種が進んでいる」と指摘。1日当たり、自治体接種120万回、職域接種20万回のペースで推移した場合、10月から11月にかけて希望する国民が全て接種を完了するとの見込みを示し、「しっかりと情報を共有しながら、順次開始したい」と述べ、改めて協力を要請した。
三村会頭は、政府からの要請を受け、地域の飲食業など困窮する事業者を集めた共同接種などの対応を進めている全国の商工会議所に対して謝意を表明。河野大臣に対しては、「商工会議所としても最大限の協力をしていく。ワクチン供給がボトルネックになっているが、一日も早く接種が開始できるようお願いしたい」と要請。自治体との連携した共同接種を行っている商工会議所も含めて確実なワクチンの供給を求めている。
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