日本商工会議所の三村明夫会頭は11日、首相官邸に岸田文雄首相を訪ね、要望書「岸田内閣に望む」を手交するとともに、トップ会談を行った。三村会頭は、コロナ禍で困窮する事業者への重点支援や、ポストコロナへの中小企業のビジネス変革などへの支援を要請。岸田首相は、日商の要望にしっかり目を通す考えを示した。
三村会頭と岸田首相の会談は、自民党の総裁選期間中の9月21日にオンラインで意見交換を行って以来、20日ぶり。会談で三村会頭は首相就任に祝意を示すとともに、ポストコロナに向けた中小企業の生産性向上や付加価値創出への挑戦を後押しすることなどを求める要望書の内容を説明。また、パートナーシップ構築宣言などの具体的な取り組みに触れるとともに、岸田総理が掲げる、成長による分配の好循環、新しい日本型資本主義などについても意見交換を行った。
日商の要望書は、コロナ禍で困窮する事業者への重点支援と中小企業の自己変革の推進、社会経済活動の正常化に向けた「出口戦略」の早期提示と推進、国全体のレジリエンス強化に資する成長戦略と基盤整備などを求める内容。ポストコロナに向けた中小企業の自己変革の推進の必要性とともに、デジタル化による生産性向上やビジネス変革などへの挑戦を後押しするため、事業再構築補助金やIT導入補助金などの拡充も求めている。
また、サプライチェーン全体での付加価値創出と取引適正化を進めるためには、「パートナーシップ構築宣言」のさらなる周知と普及を推進し、成長による分配の好循環を実現することが重要と指摘しており、岸田首相の考え方とも重なる。日商では、要望内容の実現に向け、関係各方面に働き掛けを強めていくことにしている。
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