日本商工会議所は11月18日、中心市街地における低未利用地の活用などを求める「民間主導による公民共創まちづくりの実現に向けた意見」を取りまとめ、公表した。意見書では、中心市街地などのまちづくりについて、人口流出による需要の減少、空き地・空き店舗などの「低未利用不動産」の増加、地価の下落といった「負の連鎖」が断ち切れず、地方圏と大都市圏との格差が拡大している厳しい現状を指摘。中心市街地の低未利用不動産の活用こそ、地域経済に好循環をもたらす「経済活性化策」であると捉え、公民一体の取り組みの必要性を訴えている。
意見書では、まちなか再生に向けて、中心市街地などの不動産の低未利用化の防止措置の強化や、低未利用不動産対策の強化に向けた具体策を提示。例えば、中心市街地において、空き地・空き店舗が増加しているエリアを行政が指定し、家屋などの譲渡所得に対する特別控除の拡充や建築物の除却への補助金などによる集中支援対策などを示した。
民間発意による市街地整備の推進、面的整理を推進する組織(ランドバンク)への支援強化なども要望。都市機能の集約・再生整備などに係る計画作成・協議の場(市町村都市再生協議会)を設置できる者に商工会議所を追加するなど民間の提案力向上の必要性を指摘している。
また、デジタル基盤の整備を通じたまちづくりの推進、都市の再生・魅力向上を後押しする措置、まちの価値を向上させる社会資本整備の促進の必要性なども強調。「地域経済の好循環の実現」「まちの魅力向上」「国際競争力の強化」「高度な都市機能の集積」などを後押しする措置や対策の強化を求めている。
エリアマネジメント活動の推進に向けては、公民連携によるまちづくり体制の構築促進に向けて「ローカルファースト」の視点の重要性を指摘。民間のまちづくり活動の基盤強化に向けては、地域内外の「応援団」を巻き込める仕組みづくりと人材獲得・育成、財務基盤の強化を促す支援を求めている。
日商では、意見書を政府など関係各方面に提出。要望内容の実現に向け、働き掛けを行っていく。