経済産業省はこのほど、日本の安全保障を確保すべく「外国為替及び外国貿易法(外為法)」を改正し、企業から従業員への機微技術(軍事に用いられる可能性の高い技術)の提供の一部を管理対象とすることを公表した。この改正により「みなし輸出」(非居住者に対する技術提供)について同省への許可申請が必要な対象が明確化。これまで規制対象外だった居住者への技術提供についても、今後は「特定類型」(非居住者の強い影響下にある居住者)に該当する居住者に技術提供する企業は、管理対象となるか確認する必要が生じる。
具体的には、「グループ会社以外の外国企業と兼業をしている日本企業の従業員への提供」「外国政府から留学資金の提供を受けている学生への提供」「日本における行動に関し外国政府などの指示や依頼を受けている者への提供」の場合が該当する。
同改正は2022年5月1日から施行。企業においては、従業員が業務上、外為法で管理されている機微技術に触れる可能性がある場合、従業員の雇用時に、国籍を問わず特定類型該当性について誓約を求める(または該当しないことの申告を行う)こと、就業規則など企業における従業員の兼業や金銭などの受領に関するルールに従って、必要な報告などを実施することなどが必要となる。
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