一般財団法人日本ファッション協会(JFA)は3月22日、「日本クリエイション大賞2021」の表彰式を東京都千代田区の帝国ホテル東京で開催した。同賞は製品、技術、文化活動、地域振興などジャンルを問わずクリエーティブな視点で生活文化の向上に貢献し、時代を切り開いた人物や事象を表彰するもの。当日は、3月16日の地震の影響で一部の受賞者がオンラインでの参加となったが、大賞を受賞したテルモ株式会社の佐藤慎次郎代表取締役社長CEOをはじめ、同時に開催した「第19回シネマ夢倶楽部表彰」の受賞者らが出席し執り行われた(写真提供:一般財団法人日本ファッション協会)。
日本クリエイション大賞2021の各賞受賞者は次のとおり。
【大賞】
テルモ株式会社
「創立100年、医療を通じ社会に貢献」
新型コロナウイルス感染症治療に使われる「体外式膜型人工肺(ECMO)」の国内シェア7割を占めるテルモ。1921年に、体温計の国産化を目指して設立されて以来100年にわたり、心臓外科手術、薬剤投与、糖尿病管理、腹膜透析、輸血や細胞治療などに関する幅広い製品・サービスの提供で医療の発展に貢献している。
【オンリーワン技術賞】
株式会社ティ・ディ・シー(宮城県利府町)
「世界最高レベルの超精密加工で顧客の技術課題を解決」
探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取した物質を収容するサンプルキャッチャーの精密研磨を手掛けたティ・ディ・シー。素材表面の粗さ1ナノメートル(ナノは10億分の1)以下の精度で磨き上げる世界最高水準の研磨技術で多くの顧客の課題を解決してきた。東日本大震災による被災後も技術者育成、産学官連携などに積極的に取り組んでいる。
【福島から未来へ賞】
株式会社ウッドコア(福島県浪江町)
「国産材を活かした大震災からの復興と脱炭素化の推進」
東日本大震災により荒廃した福島の森林再生と林業振興を担う「福島高度集成材製造センター」を運営するウッドコア。年間1万5000立方メートルの集成材を生産し、林業再生を通してカーボンニュートラル社会の実現を後押ししている。
【水産業革新賞】
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(宮城県石巻市)
「震災から10年、水産業をかっこいい職業に」
水産業従事者も漁業生産量も減少する中、震災後の石巻で若手水産事業者らが立ち上げた団体、フィッシャーマン・ジャパン。漁師や水産加工業者ばかりでなく料理人、クリエイターなども育て、水産業を「新3K(かっこよくて、稼げて、革新的)」な産業へ変革すべく取り組んでいる。
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