日本・東京商工会議所に事務局を置く、日本マレーシア経済協議会は8月1日、カウンターパートであるマレーシア日本経済協議会と第39回合同会議をマレーシア・クアラルンプールで開催した。会合には日本側から永野毅会長ら42人、マレーシアからはタンスリ・アズマン・ハシム会長ら77人が出席。コロナ禍の影響で対面での開催が2019年7月以来、3年ぶりとなった会議では、マレーシアと日本におけるポストコロナでの課題と新たなビジネス機会をテーマにディスカッションを行った。
開会式であいさつした永野会長は、今年5月に訪日したイスマイル・サブリ首相、アズミン・アリ大臣と懇談したことに触れ、国際往来の制限緩和に伴い、要人往来が活発化していることを指摘。また、日本とマレーシアの外交関係樹立65周年、マレーシア「東方政策」40周年の節目の年に対面形式で合同会議を開催できたことへの謝意を表明した。
一方で、ロシアによるウクライナ侵攻、米中対立など、各地で政治的・経済的な不安定が生じている中で、「サプライチェーンの混乱や保護主義の台頭に対応し、コロナ禍からの回復を実現させるためには、自由貿易体制の確立が重要」と指摘。今年3月にマレーシアでも発効したRCEPへの期待を表明するとともに、重要な半導体ハブであるマレーシア向けの日本からの投資拡大など、両国におけるサプライチェーン強靭(きょうじん)化に向けた取り組みを評価した。
マレーシアのアズマン・ハシム会長は、マレーシアのサービス産業や環境分野などのビジネス機会拡大の可能性を指摘。中小企業の近代化や高齢化問題などへの日本の協力に期待を表明した。
岸田文雄首相からの祝辞は髙橋克彦駐マレーシア大使が代読。両国関係のさらなる強化とともに「アジア未来投資イニシアティブ」を通じた協力、両国の官民連携により、食料やエネルギー問題への対応、人道状況の改善などに取り組む考えを表明した。
合同会議では、新たなビジネス機会について、特に、コロナ禍で加速したデジタル分野にフォーカスした両国の連携・成長の可能性について議論。生産性向上や新たなサービス創出に向け両国経済界が取り組むべき課題や今後の展望などについて意見を交換した。
両国の協議会では、大阪・関西万博開催に向けた協力のほか、両国間のビジネス・観光の往来活発化の実現などに連携していくことでも合意。次回合同会議は2023年に東京で対面で開催することを決めた。
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