日本商工会議所と全国商工会議所女性会連合会(全商女性連)は7日、第21回「女性起業家大賞」の受賞者17人を発表した。最優秀賞には、大阪府東大阪市の化粧品専門商社である株式会社千空代表取締役の平井翠さんが輝いたほか、優秀賞、奨励賞、特別賞など各賞も決定。昨年創設した過去の受賞者で事業を継続・成長させている経営者を顕彰する「エクセレント賞」に5人を選んだ。
2002年度に創設した「女性起業家大賞」の表彰は今年で21回目。女性の視点で革新的・創造的な企業の創業や経営を行い、事業を成功させている創業10年未満の女性起業家を毎年顕彰している。
今年度の最優秀賞(日本商工会議所会頭賞)は、海外化粧品の輸入卸や自社ブランド化粧品「CENQUR」を展開する千空(大阪府東大阪市)代表取締役の平井翠さん。優秀賞(全商女性連会長賞)には、「スタートアップ部門」(創業5年未満)の小倉織物製造(福岡県北九州市)代表取締役の築城弥央さんと、「グロース部門」(創業5年以上10年未満)では、Mentor For(東京都渋谷区)代表取締役の池原真佐子さんがそれぞれ選ばれた。また、両部門合わせて奨励賞4人、特別賞5人の計9人も決定した。
最優秀賞の平井さんは、韓国やタイの化粧品輸入卸事業を展開するとともに、「日常をプレミアムに」をコンセプトに誰でも毎日使いたくなる手頃な価格と品質で、健康とキレイをサポートするため、自社ブランドである「CENQUR」を立ち上げ。創業わずか3年で実績を残し、急成長を遂げている。すでにビジネスとして確立している点などが高く評価された。
スタートアップ部門優秀賞の築城さんは、江戸時代から約400年続く「小倉織」を企画から販売まで一貫して監修。新たに開発した小倉織のデニムが米国で注目されるなど、伝統技術に新たな可能性を見いだしている点などが評価された。
グロース部門優秀賞の池原さんは、リーダー経験のある女性を社外メンターとして育成し、女性管理職を育成したい企業の女性社員にオンラインでマッチングする日本初の事業を展開。「リーダー経験のある女性の知見を次世代に循環させる」ことを目標にしており、女性活躍推進に大いに貢献している点などが評価された。
スタートアップ部門の奨励賞には、mederi(東京都目黒区)代表取締役の坂梨亜里咲さん、特定非営利活動法人にこっと秋田(秋田市)代表理事の八代美千子さんを、同じく特別賞には、Clean next(東京都千代田区)代表取締役の西山貴代さん、Vario’s(静岡市)代表社員の石光さん、MMGインターナショナルサービス(広島市)代表取締役の宮井ふみ子さんを選定。グロース部門の奨励賞には、MoT(大阪市)代表取締役の堀井瑞恵さん、ウフフ(石川県金沢市)代表取締役社長の志賀嘉子さんを、同じく特別賞には、ラヴレターズ(愛知県豊川市)代表取締役社長の林真梨さん、Orangette Chalkart(神奈川県大和市)代表の金城まみさんがそれぞれ選ばれている。
表彰式は、10月8日に福島県郡山市で開催する「第54回全商女性連総会」に合わせて実施。受賞者を代表して、最優秀賞の平井さん、優秀賞の2人を表彰する。
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