政府はこのほど、新しい資本主義実現会議(議長・岸田文雄首相)の下に設置した「スタートアップ育成分科会」の第1回会合を開催した。6月7日に閣議決定した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」で、スタートアップの育成について、新しい資本主義実現会議に検討の場を設けると決めたことに伴うもの。会議に出席した岸田首相は、年末に策定するスタートアップ育成5カ年計画に向けてスタートアップの支援策などの検討を指示した。
6月に閣議決定した「実行計画」におけるスタートアップの起業加速に向けた取り組みの方向性については、「スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築」「スタートアップの事業成長のための資金供給の強化と事業展開・出口戦略の多様化」「オープンイノベーションの推進」の重要性を指摘。「スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築」については、優れたアイデア・技術を持つ若い人材の選抜・支援、海外における起業家育成の拠点の整備など、スタートアップ立ち上げ期に重要となる人材・ネットワーク面での支援を行うことを明記した。
「スタートアップの事業成長のための資金供給の強化と事業展開・出口戦略の多様化」については、成長に時間を要するスタートアップに対して、公的資本も含めた資金供給の拡大により、その事業成長を後押し。同時に、国内のベンチャーキャピタルの育成や海外投資家・ベンチャーキャピタルの呼び込みを図ることなどが盛り込まれている。
「オープンイノベーションの推進」については、既存大企業がスタートアップとオープンイノベーションを行うための環境整備強化の必要性を強調。併せて事業再構築のための私的整理法制の整備を進めることなどを提示した。
会議に出席した岸田首相は冒頭のあいさつで、「スタートアップの育成は、日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会的課題を解決する鍵だ」と強調。「年末のスタートアップ育成5カ年計画の策定に向けて、スタートアップの創出と成長の加速に向けた支援策の検討をお願いしたい」と述べた。
詳細は、https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/bunkakai/index.htmlを参照。
最新号を紙面で読める!