一般財団法人日本ファッション協会(JFA)はこのほど、「日本クリエイション大賞2022」の選考結果を発表した。同賞は、製品、技術、芸術・文化活動、地域振興、環境、福祉など、ジャンルを問わずクリエーティブな視点で生活文化の向上に貢献し、次代を切り開いた人物や事象などを表彰するもの。今年度は、100件の推薦案件の中から大賞1件と、各賞として「インフラ技術賞」「よりどころ賞」「きらり技術賞」の3件を選定した。
大賞に輝いたのは、安全で環境に優しい冷却システム「FPSC(フリーピストン・スターリングクーラー)」を開発した新潟県燕市の電機メーカー、株式会社ツインバード。同社は、一般的な冷蔵庫で使われているコンプレッサー式とは異なり、冷媒に自然界に存在するヘリウムガスを使用した独自技術の冷却システムを2003年に商用量産化、この技術をベースにつくられた宇宙実験用冷凍冷蔵庫が国際宇宙ステーションで使われたほか、FPSC搭載の冷凍機器は医薬・バイオ、半導体製造装置の冷却システムなどにも活用されている。
20年には厳格な温度管理が必要な新型コロナウイルスワクチンを全国の接種会場に届ける運搬庫に選ばれ、ワクチン運搬用に改良したディープフリーザーを量産。地元企業の協力も取り付け、短期間で従来の生産能力の?倍の生産体制を整えてワクチン接種を支えたことなどが評価された。
そのほか、「インフラ技術賞」には、鉄筋を使用しない〝さびない橋〟を高速道路で実用化した西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)と三井住友建設株式会社、「よりどころ賞」には、八百屋を営む傍ら始めた〝こども食堂〟を?年にわたり運営し、地域の人々のよりどころをつくった一般社団法人ともしびatだんだん(東京都大田区)、「きらり技術賞」には、1000度という高温状態にある鉄鋼製品に直接貼り付けることができる耐熱バーコードラベルを開発し、世界シェア100%を誇るYSテック株式会社(大阪府吹田市)が選ばれた。
また、同時に発表された「第20回シネマ夢倶楽部表彰」では、22年に国内で公開された新作映画から推薦委員が上位3位を選定する「ベストシネマ賞」の第1位に『ある男』(石川慶監督、22年、日本)、第2位に『マイ・ブロークン・マリコ』(タナダユキ監督、22年、日本)、第3位に『ベルファスト』(ケネス・ブラナー監督、21年、英国)が選ばれた。
日本クリエイション大賞2022の詳細は、https://www.japanfashion.or.jp/news/jca2022_senko_kekka/を参照。
最新号を紙面で読める!