日本商工会議所の小林健会頭は6月21日、都内で開催された「全国信用金庫大会」に来賓として出席し、祝辞を述べた。大会では、岸田文雄内閣総理大臣、鈴木俊一金融担当大臣、西村康稔経済産業大臣、植田和男日本銀行総裁らの来賓も登壇し、あいさつ。オンライン含め全国の信用金庫関係者など約500人が出席した。
大会であいさつした小林会頭は、中小企業における賃上げ機運の高まりについて「こうした機運を腰折れさせないためには、中小企業の事業承継や事業再構築などの自己変革へ の挑戦を後押ししていくことが重要で賃上げ原資の確保が欠かせない」と指摘。大企業と中小企業の新たな共存共栄関係の構築については、信用金庫や取引先への「パートナーシップ構築宣言」の普及啓発を要請した。
また、信用金庫と連携し注力したい支援として、「収益力改善・事業再生」「事業承継・引き継ぎ」「創業促進」の3点を要請。収益力の改善・事業再生については、ゼロゼロ 融資の返済本格化など、コロナ禍で増加した債務への対応が課題となる中、「収益力改善による事業再生、事業承継・引き継ぎなど、経営者に多くの選択肢を残すためにも、可能な限り早期の相談を促すことが重要」と強調した。
事業承継・引き継ぎ支援については、「企業変革には、事業承継が有効であり、一層の推進が必要」と指摘。信用金庫と連携して100件以上の同行訪問を実施し、経営課題やニーズの掘り起こしを行った鹿沼商工会議所を例に挙げ、「信用金庫と連携した事業承継支援が、全国に広がることを期待する」と述べた。創業促進については、「ともに、地域 のネットワークを生かしたサポートやアドバイスで地域経済を盛り上げていきたい」と信用金庫への期待を表明した。
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