2023年第1四半期の主要な半導体企業の決算を見ると、全般的に半導体市況が悪化していることが分かる。世界最大のファウンドリーである台湾積体電路製造(TSMC)の収益増加ペースは鈍化。韓国や米国の半導体メーカーの業績もほとんどが横ばいか悪化だ。その背景に、世界的なスマートフォン市場の飽和がある。これまで、世界の半導体メーカーの業績を支えてきたスマホの需要は、取りあえずほぼ満たされたと見られる。
また、巣ごもり需要で一時盛り上がったパソコン(PC)の需要も減少気味だ。主要半導体メーカーの減産にもかかわらず、今のところ、メモリ半導体の価格は下げ止まっていない。車載用半導体のように需給逼迫(ひっぱく)感が残る分野もあるものの、特に、スマホやPC向け半導体メーカーの業況が厳しい。
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