日本政府観光局(JNTO)はこのほど、2018年8月の訪日外客数が前年同月比4・1%増の257万8千人となったことを発表した。18年1~8月の累計は、前年同期比12・6%増の2130万9千人に達し、これまでで最も早いペースで2000万人を突破した。
18年8月の257万8千人は、8月としては過去最高。これまでの8月の過去最高は、17年8月の247万7千人だった。
国・地域別では、イタリア、スペインが単月として過去最高を記録したほか、16カ国・地域(中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、ロシア)で8月として過去最高を記録した。
JNTOでは、「新規就航などによる航空路線の拡充に加えて、継続的に展開している訪日旅行プロモーションの効果もあり、訪日外客数全体としては昨年同月を上回った。一方で、大阪府北部の地震や平成30年7月豪雨の影響により、これまで訪日者数の伸びをけん引してきた東アジア市場の一部で、訪日需要が抑えられたことが、訪日外客数全体の伸びの鈍化に影響を及ぼした」と分析している。
今回の結果を受け、石井啓一国土交通大臣は記者会見で、「2020年4000万人などの目標達成に向けては、施策の一層の推進が不可欠」と強調。「観光ビジョンに基づき、全国どこでもストレスなく快適に観光できるよう、通信・交通・決済などの受け入れ環境を整備し地方への誘客を図る、多言語解説の充実などによる国立公園や文化財などの活用の推進、わが国ならではの魅力的な体験の提供などを通じて、滞在時の満足度向上を図るなどの施策を政府一丸、官民一体となってさらに推進していきたい」と目標達成に意欲を示した。
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