日本商工会議所は10月31日、10月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果を発表した。調査期間は10月16~22日。全国423商工会議所が3735企業にヒアリングした。
10月の全産業合計の業況DIは、マイナス17・2と、前月からマイナス1・2ポイントの悪化。台風21号や全国的な異常気象の影響による農産物の出荷量減少・価格上昇により卸売業の業況感が悪化した。中小企業の景況感は、産業用機械や自動車、電子部品関連、建設業の堅調な動きに下支えされているものの、燃料費・原材料費の上昇や深刻な人手不足、最低賃金改定による人件費の上昇、根強い消費者の節約志向が足かせとなっており、回復に遅れが見られる。
先行きについては、先行き見通しDIがマイナス16・8(10月比プラス0・4ポイント)とほぼ横ばいを見込む。秋の行楽シーズンや年末年始の商戦を契機とする消費の持ち直しやインバウンドを含めた観光需要拡大、生産・設備投資の堅調な推移への期待感がうかがえる。他方、人手不足の影響の深刻化や、燃料費・原材料費の上昇、コスト増加分の価格転嫁遅れ、米国の保護主義的な関税措置に端を発する貿易摩擦、消費増税の影響を懸念する声も多く、中小企業の業況感はほぼ横ばいで推移する見通しだ。