地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化「100年フード」の中から、日本が誇る食文化を文化庁、有識者がリレー形式で紹介します。
1年9カ月にわたってお届けしてきた「100年フード~日本の誇り『和菜伝承』」も、今回が最終回となります。これまでご愛読いただきまして、ありがとうございました。
当コラムでは、文化庁が認定した201件の100年フードの中から、新潟のへぎそば、静岡おでん、海軍カレー、高知の皿鉢(さわち)料理など、さまざまな食文化を紹介してきました。それぞれの100年フードにまつわる個性的なストーリーは、わが国の豊かな自然風土や歴史に根差しつつ、さらに諸外国の食文化も柔軟に取り入れながら、全国各地で多様な発展を遂げてきた、日本の食文化の歴史そのものであると思います。
「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、10周年を迎えました。最近では、和食のみならず、カレーやラーメンといったさまざまな日本食への国際的な関心が高まっています。文化庁では、全国各地で受け継がれてきた豊かで多様な食文化を、地域の誇りとして未来へつなぎ、さらに日本の誇りとして世界へ発信していくため、これからも100年フードの取り組みを進めていきたいと考えています。
最近では、認定を契機とした食イベントの開催や記念商品の発売、ふるさと納税返礼品としての活用といった取り組みも広がってきています。もし、100年フードのロゴマークを見かけたら、手に取って各地の食文化に触れてみてください。
最後に、全国各地の100年フードを食べて、写真に撮って、賞品が当たる「100年フードフォトスタンプラリー」を2024年1月末まで開催しています。全国各地の多彩な食文化を体験する絶好の機会ですので、ぜひご参加ください。
100年フード
文化庁は、①地域の風土や歴史の中で創意工夫し地域に根差したストーリーを持つ②世代を超えて受け継がれてきた③地域の誇りとして100年を超えて継承することを宣言する団体が存在する、食文化を「100年フード」として認定しています。
100年フード公式ウェブサイト ▶ https://foodculture2021.go.jp/jirei/
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