政府は2023年12月21日、「第4回国内投資拡大のための官民連携フォーラム」を首相官邸で開催し、「国内投資促進パッケージ」を取りまとめ、公表した。パッケージは、GX、DX、経済安保・フロンティア、産業インフラなど「分野別の戦略投資」、人への投資、中堅企業・中小企業、スタートアップ、研究開発などの「横断的な取り組み」、資産運用立国実現、対内直接投資促進、輸出促進などの「グローバル市場を見据えた取り組み」の三つの柱で構成。11府省庁205の投資推進策を盛り込んだ。
具体的には、人への投資関連では、「賃上げ促進税制の強化」「新しいNISA制度の普及・活用」「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」「高等教育機関における共同講座創造支援事業」、研究開発関連では、「イノベーション拠点税制の創設」「官民による若手研究者発掘支援事業」などを実施。中堅企業・中小企業への支援策については、「中堅企業の成長促進に向けた産業競争力強化法の見直し」「中堅3税(地域未来投資促進税制、賃上げ促進税制の中堅企業枠、中堅・中小グループ化税制)に関する措置」「中小企業省力化投資補助事業」「中小企業生産性革命推進事業」などを盛り込んだ。
会合に出席した日本商工会議所の小林健会頭は、投資の原資拡大につながる税制措置をはじめ、持続的賃上げに向けた環境整備、省力化支援、供給力強化に向けた国内投資拡大など、中堅・中小企業の「稼ぐ力」の向上や、潜在成長率の底上げに資する対策が多く打ち出されたことを、高く評価。「商工会議所では、各種支援策を周知・活用し、中小企業の自己変革と地域の持続的発展を全力で支援する」と述べた。
岸田文雄首相は、「来年は中堅企業元年として、本パッケージに位置付けられた施策を実行するとともに、これを皮切りに、中堅企業向けの政策体系を、政府一丸となって構築していく。中小企業は省力化支援、賃上げ税制の強化を通じて、人的投資を後押しする」との考えを表明。「今回のパッケージでは、企業の予見性を高め、長期的に国内投資を促進する政府の確固たる決意を示した」と述べた。
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