日本・東京商工会議所が事務局を務める日比経済委員会はこのほど、フィリピン・マニラでカウンターパートである比日経済委員会と第40回日比経済合同委員会会議を開催した。マニラでの開催は6年ぶりで、会合には、日本側からは平子裕志代表世話人(ANAホールディングス副会長)ら52人、フィリピン側からは、リチャード・アルベルトI・オズモンド委員長(フィリピンサイエンスパーク社長・CEO)ら82人の総勢134人が出席。「日本とフィリピンの次の10年に向けた関係強化」を全体テーマに「クリエイト法―フィリピンの競争力強化」「フィリピンにおける大規模食糧生産の必要性」「フィリピン人材の活躍推進」「日本からフィリピンへのさらなる投資拡大の機会」についてディスカッションした。
会議を総括したオズモンド委員長は、基調講演したフィリピン中央銀行のロメオ・ベルナルド金融政策委員はじめ、各セッションのスピーカーの重要なポイントを踏まえた発言を高く評価。平子代表世話人は、クリエイト法の成果と課題、フィリピン農業の生産性向上に向けた日本の経験やテクノロジーの活用、人口ボーナスや人材活用の可能性、日本語学習におけるDXの必要性などを示唆。半導体を中心としたグローバルシフトやフィリピンにおけるICデザインへのシフトに向けた人材育成・確保、加えて日本企業の投資成功事例を引き合いに、四つのセッションが結び付いた成果に触れ、両国の経済的な関係性が強まっていくことに期待を示し、合同委員会を締めくくった。
また、平子代表世話人、オズモンド委員長ら両国代表団は、合同会議前日にハイメ・バウティスタ運輸大臣を表敬訪問し、会談。バウティスタ運輸相は、「日本はフィリピンにとり、あらゆる部門で重要なパートナーである」と指摘。特にマニラ首都圏の南北通勤鉄道、地下鉄開発などの鉄道分野、航空航法システム(ANS)など航空分野への日本からの支援に感謝の意を表明した。
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