1958年に釣り竿メーカーとして創業、後に甲冑(かっちゅう)のレプリカ製造に転業した甲冑工房丸武。同社が製造した「紺糸威仏二枚胴(こんいとおどしほとけにまいどう)(兜)」(通称「紺糸威黒金塗十八間星兜」)が昨年、米大リーグで活躍する選手が所属していたエンゼルスで、本塁打を打った選手のパフォーマンスに使用されて一躍脚光を浴び、注文に製造が追いつかない状況が続いている。
突然、米大リーグチームから兜のオファーが舞い込む
2023年、米大リーグ・エンゼルスで活躍する選手が本塁打を放つたび、兜(かぶと)をかぶるシーンを見た人は多いのではないだろうか。このパフォーマンスに使用された兜は、甲冑のレプリカ製造を手掛ける甲冑工房丸武の手によるものだ。 「まさに青天のへきれきでした。昨年4月5日、当社の千代田店(東京)に、販売店のサムライストアを経由してエンゼルスから注文の連絡があり、『いつ頃ご使用になられますか?』と聞いたら8日だと。急いでショールームにあった商品を発送すると、8日の本拠地開幕戦でトラウト選手が本塁打を放って、早くも当社の兜がお披露目されることとなりました」と同社社長の田ノ上智隆さんは振り返る。
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