日本商工会議所は6月20~21日、宮城県仙台市で日商・東北六県商工会議所連合会懇談会、第737回常議員会・第303回議員総会などの諸会議を開催した。20日に開催した日商・東北六県連懇談会では、東北ブロック内の商工会議所会頭から、地域活性化に向けた取り組みや課題について発表。日商の小林健会頭は、「中小企業の成長と地域社会との共生を基軸に、日本経済の持続的な成長を実現していくことが、われわれに課された使命。克服しなければならない課題は山積しているが、日商としても皆さまとともに、地域経済の好循環による日本再生・変革に挑戦していく」と述べた。
日商・東北六県連懇談会には、東北ブロック商工会議所の会頭・副会頭を中心に、全国124商工会議所から234人が出席した。小林会頭は冒頭のあいさつで、「コロナ禍を乗り越え、社会経済活動が正常化したことで、中小企業における設備投資や賃上げなど前向きな動きも出てきている。商工会議所としては、こうした中小企業の自己変革に向けた挑戦をしっかりと後押ししていかなければならない」と述べた。その後の意見発表では、東北ブロック6県の商工会議所から新岡常雄会頭(青森県・黒石)、花坂康太郎会頭(岩手県・宮古)、菅原昭彦会頭(宮城県・気仙沼)、渡部尚男会頭(秋田県・横手)、野川勝弘会頭(山形県・天童)、草野清貴会頭(福島県・相馬)が、各商工会議所の事業活動などについて発表を行った。
黒石の新岡会頭は、地域資源である「こみせ(雪国独自の雨や雪を防ぐ木造のアーケード)」を生かしたイベント「こみせまつり」によるまちづくりを説明。宮古の花坂会頭からは、新たな地域を築く人材への支援を目的とした若手商工会議所職員向けの支援力向上研修について紹介した。気仙沼の菅原会頭は、地域における消費の動きを可視化し、観光消費・地域内消費を増やすための情報発信を行うデータを活用した地域経営などについて報告した。
横手の渡部会頭は、地域企業の人材不足の解決に向け、セミナーやワークショップで若年層の学びをサポートする「次世代人財育成塾」について説明。天童の野川会頭は、今年度で30回を迎え、山形県の冬の風物詩として定着している「鍋合戦」と「鍋の街プロジェクト」について紹介した。相馬の草野会頭は、交流人口の拡大に向けた食・音楽・歴史を活用したまちづくりの取り組みについて報告した。
意見交換後に小林会頭は、地域活性化や人手不足などが課題となる中、食と祭りを絡めた地域活性化の取り組みやデジタルデータを活用した地域活性化策の検討、若者人材の育成、商工会議所職員の能力向上などの取り組みについて高く評価した。
最新号を紙面で読める!